新潮クレストシリーズは30冊以上所持していたが、読むのに追いつかず、ほとんど未読のまま処分してしまった。同時代の海外文学のいちばん息のいいところを最良の訳出で提供する、すばらしいシリーズだ。昨日、新しい文庫や単行本など、「ブ」にトートバック三分の二ほどを持ち込み、800幾らかになった。それを元手にごそごぞと買う。補充したての手つかず感がある105円文庫棚で7冊ほど買う。そして単行本ではジョン・マグレガー『奇跡を語る者がいなければ』を。裏カバー解説が多和田葉子。これは良さそうと買う。青春18で松本へ行く往復で読みたい。訳者の真野泰による著者インタビューが掲載された「波」がネットで読める。そうか、そういう隠しテーマがあったのか。http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/590043.html
DVDではジャン・ルノアール浜辺の女」が安いので買った。時事通信書評用、佐藤卓巳『天下無敵のメディア人間』(新潮選書)が届く。これも楽しみ。著者は『「キング」の時代』を書いたメディア史研究者。450ページからある大冊だ。
5月20日(日)11時より、雑司ヶ谷鬼子母神通り「みちくさ市」に出店しております。もちろん幸せを呼ぶ(と一部で言われている)「古本おみくじ」新作をひっさげて。
午前、娘の試験勉強につきあい、午後外出。高円寺好書会の落穂拾い。ポプラ社の児童書「のびのび人生論」は見逃せないシリーズだが、淀川長治『ぼくの教科書は映画だった』は、装画挿絵ともに和田誠講談社の「歴史にみる名盤カタログ」はジャズ篇も出ていて、その昔、重宝したが、今日は「ロック・&・ロック」を買う。1955年から80年までのロックの名盤890枚を、シングルを含め、ジャケットともにわずか125字以内で紹介。これがよくできていて楽しい。所持しているかどうかのチェックもできる。この体裁で、本に関するガイド本が作れないかと、ずっと思っている。やっぱり1000近く紹介して、どうにか満足のいくガイド本となる。
吉本ばなな「キッチン」の英語ペーパーバック版。なるほど原題が英語だから、「台所」と逆訳して表紙に掲げてある。「キッチン」というのと、だいぶ印象がちがう。これは音羽館音羽館ではミシュレの『鳥 博物誌」も買う。『虫』篇をすでに所持。この函入り本の体裁が好きだ。
西荻へ移動。西荻ブックマークは北尾トロさんと平松洋子さんトーク。これがひじょうに楽しかった。会場は「こけし屋」で、キャパは100あると思うが満席。平松洋子さん大好き秋波が、会場をひたひたと浸していた。平松さんが、東京女子大通学以来、西荻に長く親しみながら、いまだに駅の南北が怪しい、などの弱点が、すべてトロさんの巧みな進行で、すべて好感度に結びついていく。平松さんは、若き日に寺山修司と親交があった、倉敷の女子高校生時代に、帰りのバスまで同じ制服の女子と一緒にいるのがいやで、チャイムが鳴ると飛び去るようにバスに乗り込んだなど、興味深い「平松」秘話がどんどん明かされている。トロさんは、大学卒業してしばらく、競馬に行く土日のために平日を送っていたなど、これも楽しい秘話をたっぷり披露。西荻在住の二人が、うまく息のあったところを見せ、まずは星三つのトークではなかったか。
途中の休憩中、わざわざ平松さんが、ぼくのところへ来て、書評を書いた礼をていねいに言ってくださった。ぼくは、「あわわ」と動揺し、「末永く、お幸せに」と、とんちんかんな返答をしてしまう。トーク終わって、会場外で穂村弘さんとしばし談笑。北條くんと二人で「風神亭」で打ち上げ。「なずな屋」へ寄って、「どんぐり舎」で珈琲を飲んで解散。