丸谷才一『女ざかり』ひさびさに再読、読了。仕掛けの多い、栄養のたっぷりした、ぜいたくな長編で堪能する。御霊信仰の話題だけは、「またかぁ」と思うが、これも愛嬌。大林宣彦監督が映画にした「女ざかり」もひさびさに観たくなる。
届いたばかりの坪内祐三『文藝奇譚』(扶桑社)を、一挙読み。この豊富に散りばめられた文学的感性に遅れてはならじ、と思うが、引っ張られる力が強くて、勝手に読書欲が動いていく。このスピード感だな。岡田陸と川崎彰彦を探す人が増えるだろう。全国の古本屋さん、用意はいいですか。「海浪」なんて雑誌の名前も出てきて、これは元関西学院大で職員をしていた花田司さんが、ボーナスを出るたびにつぎ込んで作っていた個人誌。ぼくも何度か、書かせてもらった。ちゃんと原稿料も出た。自分で読みたい雑誌は自分で作る、というお手本のような雑誌だった。
もう一カ月近く、まばらにしか音楽を聞かなくなった。まったく聞かない日が続いたり、この空白は何だろう。何か、うるおいが枯渇しているのか。
午後、自転車で外出していて、急な雨に降られる。「ゲオ」へ避難して、「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」、「運が良けりゃ」を借りる。前者を観たが、多々良純が出てこない映画は、ここんところ見た中では珍しい。
角川ソフィア文庫の「ビギナーズ・クラシックス」が、ぼくは好きで、いま手近にあるのは『鴎外の「舞姫」』と『西行』。近代文学と古典のシリーズが53冊出ている。できるだけ集めたい。
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