春爛漫。午後吉祥寺へ。「蔵書の苦しみ」取材で、「自炊」の実践者として詩人の清水哲男さんにインタビュー。光文社の担当・Mくんも、娘さんの入学式があり、休みだったというのに駆けつけてくれる。アイパッドを楽々駆使している清水さんの姿に、今年74歳だというが、感心してしまう。テープを止めてからも、ライター時代のおもしろい話、あれこれうかがう。貴重な時間だった。
午前7時から(このところ、ずっと5時とか5時半ぐらいに目がさめる)、CS「日本映画専門チャンネル」で「殺人者(ころし)を追え」(日活)を見る。あまりに「張込み」と設定が似ているのにややあぜん。昭和34年建設の明神台団地が舞台。実名のまま登場する。映画は昭和37年公開だから、まだ新しい郊外(横浜市保土ヶ谷)団地だった。「武蔵大原」行きバス、武蔵大原駅が映るが近辺にそんな駅はない。ここだけ仮名か。相鉄線「星川」「西横浜」それに、新宿駅も映る。
小高雄二と織田雅雄という若者と老練刑事コンビが張込みをする。二人でインスタントラーメンを食べるところで、「またチキンラーメンか」と商品名が出るので、お、と思ったら、その後、犯人を追いかけるとき、呼び止めた車の車体にチキンラーメン。たぶん協賛だったんだろう。
小高雄二は、1950年代末から60年代前半、日活映画にすべて出ているのでは、と思えるほど、よく出ていた。二枚目だが、中途半端な感じで、裕次郎などの敵役として最後は殺される、という印象。
織田政雄といえば、気の弱い役が多く、先日BSで放送していた「幕末太陽伝」でも、気の弱い女郎屋の番頭に扮していた。こういう人が、絶対必要、という俳優だった。困った顔に、じつに特徴がある。「そ、そんなあ……(ムチャなあ)」と、いつも言ってる印象。