昨日は薄曇り。桜は満開だが、風は冷たく、とにかく寒い。高円寺「古本博覧会」少し出遅れるが、10時過ぎに行ったら、もう戦場になっていた。とにかく、いつもの即売会と熱気が違う。紙ものが大量に出ているが、本のほうもいいものがとにかく安い。300円を上限にしても充分買えるぐらい。紙もの含め30冊は買ったろうか。5000円を超えたのはひさしぶり。買ったなあ、という古本漁りの喜び、ガサガサと買うことの快感をひさびさに感じる。それでも「俺はまだ本気出してないだけ」(青野春秋)とつぶやく。国文学も200円パーで大量に出ていた。先日、ビッグボックスで2冊買ったが、少し早まったかと思う。タンタンのトートバックにぎゅうぎゅうに詰めて、原宿へ。ホームへ出たところから、まるで正月のような人出。買い物客とそれに花見客。青山まで歩くつもりだったが、こう人が多くちゃあ。ひと駅だけ地下鉄。「日本推理作家協会」に呼ばれて、七名ほどの人たちを前に古本の話。いま買ったばかりの買い物も紹介。長谷川卓也さんとは十五六年ぶり。前回、ここで文庫の話をさせてもらったのは長谷川さんの紹介だった。85歳になられた長谷川さんにそのことをお話すると「そうでしたか。いや、前にお目にかかったような記憶がありましたが」とおっしゃる。雑談のなかで、東京新聞時代の話をうかがったが、おもしろい。田中小実昌が映画の文章を書くきっかけを作ったのが長谷川さん。淀川長治の家に招かれた話も(それは珍しいことなのだそうだ)。
国立まで戻ってくると、大学通りの桜も満開で、花見の買い物(食料品)をした大きく膨らんだスーパーの袋を提げた人たちと出くわす。しかし、花見には少し寒かろう。
現代詩手帖 臨時増刊 寺山修司」に、ブローティガンの短詩(谷川俊太郎訳)が掲載されている。そのタイトル「あらゆる動きは止まりかたの一変形にすぎない」が、堺正章論に援用できるとメモる。