雨上がりの午後、音羽館へ売るわけにはいかない、レベルの低い新刊(しかしバリバリ)をトートバック一袋分、「ブ」へ持ち込む。24冊で1050円。アラン・レネ二十四時間の情事」が1500いくらかだったが、本を売ったお金があるので、これを買う。アンドリュー・ヒルのCD「ブラック・ファイアー」も。川瀬一馬『随筆 柚の木』中公文庫も。「二十四時間の情事」は、帰って見たら、字幕が出ない。どうしたことか。単行本用の原稿書きあれこれ。今年は大事な年のような気がしてきた。
木村衣有子『大阪のぞき』『もうひとつ別の東京』をパラパラ見て、読んでいて、どれも写真がいいのに感心する。アングルと画面の切り取り方がじつにうまい。これが木村さんの「目」なのだろう。この十年ぐらい、女性の時代と言われて、各分野で女性の才能が一気に花開いているが、写真がうまいというのもその一つ。写真は女性が向いているものの一つではないだろうか。
「朝日」夕刊で、若手の三人の作家が紹介されているが、もう、ぼくには何の縁もない世界だと思えてしまう。本の世界の現役としては失格だが、紹介されて、じゃあ読んでみるかという気がまったく起こらない。ほかに、読みたい古い本がたくさん待っていて、優先順位ではそっちの方がずっと先になる。これで人生、まっとうするというわけにはいかないだろうか。
六甲の坂の途中にある老舗古書店「宇仁菅」が、この三月いっぱいで閉店と聞いた。神戸方面がどんどん寂しくなる。ぼくはたった一度、立ち寄っただけ。「口笛文庫」がその先にある。
今日、京都の町なか(二条通り高倉下がる)で、「レティシア書房」というギャラリー&古書店がオープン。ご夫婦で始められた店のようだ。今週末、京都へ帰省するのだが、泊まるホテルがすぐ近くなので寄れそう。末永く、続けていただきたいものだ。
『古本道入門』中公新書ラクレの増刷分が届きました。
小椋佳「春の雨はやさしいはずなのに」