昨日は午後「サンデー毎日」。うまく時間が取れたら、茗荷谷から啄木終焉の地、漱石「琴のそら音」に登場する「極楽水跡」を探訪しようと思っていたが、「ギンレイ」のポランスキーゴーストライター」が、思ったより早くの時間から始まり(たいてい、3回目は4時前後)、直接「ギンレイ」へ。金曜でラストとあって満席。
おもしろく見終えて(最後の最後に、あっと思う)外へ出たら雨。千代田図書館へ急ぐ。「気になる古書目案内」企画で、この夜、中野書店、大屋書房、海ねこ、日月堂諸氏による「古書目作りの最先端」トークがあった。これ、タイトルほかすべて「古書目録」ではなく「古書目」となっているのが、いちばん「気になる」。初めて聞くことばだ。
トーク会場は図書館内のイベントスペースで、フロアの一部。そうそう、ぼくもここで喋ったことありました。トークは中野さんの進行により、各人の目録との取組みを語る。中野書店が目録を4000部顧客に送っているというのには驚いた。印刷製本代のコスト、送料など、大変な額だ。あと、中野書店さんは神保町へ来る前、三鷹で店を開いていた時代があった、というのも初耳。
大屋書房は、久里ちゃんの代に「妖怪」ものにチカラを入れ、オールカラーの特集目録を作るまでに。久里ちゃんは海外へも「妖怪」ものを買い付けに行くそうです。
「海ねこ」さんは、とにかく古書店主たちがみんな個性的でおもしろい人ばかり、と組合へ入って、ネット販売時代からの変化を語る。
日月堂」さん、おひさしぶりだが、ルリユールをやっていたとは知らなかった。衝撃の日月堂目録がこの日、聴きにきていた人たちに回覧されていた。終わってみんなで、雪の九段下へ。打ち上げをしようと流れてきたが、2軒が満席で断られ、地下の「さくら水産」へ。11名が一緒に座れたが、少しあとで、武道館のライブがはねて、流れてきた大量の客が押し寄せ、厨房以外に2人しかいない「さくら水産」の店員がパニックに。いや、無理でしょう。80名近くいた客を2人で相手するのは。打ち上げでは、「日月堂」佐藤さんと久し振りにゆっくり喋る。
山王書房」長男の関口直人さんからのメールで、2月15(水)に天誠書林の和久田誠男さんが亡くなられた、と知る。
直人さんにとっては、地元の大森における「小学校、中学校、高校、大学を通じての先輩」であり、山王書房に「中学から通った一番長きに亘るお客」であり、山王書房の志を継いでくれた方でもあった。カーネーションの直枝さんたちとともに、大森の古い居酒屋「みさわや」で一緒に飲んだのがいい思い出。ぼくは、「彷書月刊」の連載「気まぐれ」の第一回に「天誠書林」へ行き、第100回の記念で再訪している。望むべき理想の古本屋さんの一つだった。ご冥福をお祈りする。
風呂上がり、ビールを飲みながらテレビをつけたら「スマステ」で、洋楽アーティストベスト20。黙って見ていたらいいかげんにしろよ、という結末。ボブ・ディランがランクインしていないじゃないか。どういう集計だろう。いや、岡崎さん、「スマステ」ですよと言われるかもしれないが、バカにするのもいいかげんにせえよ、ああ見て損した。持ってるボブ・ディランのCDを次々聞く。もっとも片岡義男さんによれば、英語がわからないと、ボブ・ディランの良さはわからない、ということですが。いや、むしろこういう遊びに加わっていないところが、ボブ・ディランではないかとも思い直す。
ときどき口づさむ北園克衛の詩「花」の最終二連。
「そして疲れ/おもひも尽きた 暗い部屋にゆき/風のやうに眠った」