藤田加奈子さん「日用帳」で関西行脚による成果を、数々の図版とともにアップ。これが瞠目すべき調べぶりと対応で、ただ口をあんぐりと開けてみる。どうすれば、こんなことができるんだろう。恐るべき人である。
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ぼくはその一万分の一ぐらいの力で、昨日は上野周辺の東側を歩く。上野駅正面の写真を歩道橋から撮り、稲荷町地下鉄入口を撮り、都内で唯一現存する同潤会アパート「上野下アパート」のお姿に感動する。そのあと、あちこち巡りながら鶯谷へ。カマトトぶるわけではないが、鴬谷駅周辺が、こんなにラブホテルで埋め立てられているとは知らなかった。突飛なデザインの集合に、秘境ということばが思い浮かぶ。このあたりで、尾崎一雄が玄関で風呂をたてていたはずなのだが。
池袋リブロの古本市を覗く。館内が暑いのは、熱気のせいか。各店がチカラを入れて出品しているのがよくわかる品揃えで楽しい。もっとも買えたのが「にわとり」さんで、昭和30年代の東京絵葉書12枚入り500円、石黒敬七『空気投』500円、これは持って居るがあんまり安くて現代ユウモア全集『漫談レヴィウ』300円だったか? あと「明日」さんより大人の本棚吉屋信子を400円で。すべて500円以下の買い物。『空気投』は珍しい本だが、例のT橋T弘ハンコ本で、悪性の伝染病のように指名印が押してある。ぼくは読めればいい、と思って買ったが、古書界では有名な本だ。
夜は銀座「茉莉花」で、有志メンバーで飲む。楽しかった。最寄り駅まで帰ってきたが、自転車をこぐ気力なく、タクシーで帰還。