okatake2012-02-06

「サンポマガジン」に、夏葉社『レンブラントの帽子』、「新潮45」に『高峰秀子 暮しの流儀』新潮社、「あった、あった。」に『テレビアニメ全集』について書く。今日は雨、か。平松洋子さんの『買い物71番勝負』を読むでもなく、ぱらぱらめくっていたら、「古書」の文字が。店名は明らかにしていないが、「なずな屋」のことが書いてある。「興居島屋」時代のことらしいが。
小満んが「二階ぞめき」の長い枕で、吉原のことを解説し、その歴史を340年とし、「アメリカ合衆国より歴史がある」と言っていたのが可笑しかった。
夏葉社の新刊は詩集。ヘンリー・スコット・ホランド 高橋和枝訳『さよならのあとで』は、原詩の英文は横組で一ページに収まる長さ。その訳詩を、一ページ一行ないし二行にばらして、絵をはさみこみながら読ませる試み。なんと、大胆な。しかし、二段組で詰めて組めば見開きで読めてしまうのを、わざわざ読者にインターバルを与えて、ページをめくる動作を強いる。カバーの裏側が凹むほどの強い押しの活版による文字といい、「紙の本」の特製を、これでもかと知らしめるできばえ。身近な人を喪ったばかりの人が読めば、心に沁み入ってくる詩行である。発行人というから島田くんだろう、の「あとがきにかえて」に、若林一美さんの名前が出てくる。ぼくは、20年近く前に、取材させてもらっている。懐かしい名前だ。
必要があって、藤森照信荒俣宏『東京路上博物誌』を読んでいたら、華族の身で鳥学研究に熱をあげる人物、「なにをするか分からない御曹子」と見られた蜂須賀正氏のことを荒俣が紹介している(荒俣の『大東亜科學奇譚』に記述あり)。16歳で日本鳥学会に入会、イギリスで鳥学研究に熱中する。もとオーストラリア大使館は、蜂須賀家の本邸だった。彼は、熱海に広大な西洋館を建てる。この設計がなんとヴォーリズ。おもしろい人ですねえ。先日の中西悟堂といい、鳥研究者に変った人が多いのか。1953年50歳で死去。平凡社ライブラリーに『南の探検』という著作が収録されている。平凡社ライブラリー、えらい!