okatake2012-01-22

今日の朝刊で、詩人の新井豊美さんが21日に亡くなられたことを知る。享年76。ぼくは上京してすぐ、詩誌「飾粽」編集の集まりに参加するようになり、そこで新井さんと面識を得た。もう20年以上前のことだ。ご冥福をお祈りする。
追悼を込めて「あたらしい真昼に入っていた」の最後のほう、一部だけ引用する。
「わたしたちはあたらしい真昼に入っていった//陽の暮れない丘に燃えている木がいっぽん/陽の底に灰の木がいっぽん//列車はスピードを落とさずに無人駅を通過する、またたくまに/駅の名はとおざかる/燃える木をなぎ倒し、影をなぎ倒し、/日付を振り落とし/なかばは海、なかばは空、そのあわいにある/空白という駅/その果てのない裂け目をおし広げ//わたしたちは手をとりあって真昼のなかに入っていった/火の壷を揺すりながらあたらしい真昼に入っていった」
いま思えば、ぼくが新井さんとお目にかかったとき、新井さんはちょうど今のぼくぐらいのお年だったのだ。静かで、落ちついた上品な方だった。
今日は西荻ブックマーク。「ささま」へ寄って、今月いっぱいで退職し、ネット古書店を始める、そしてお父さんになったオザワくんに挨拶。海野弘『光の街 影の街』は、処分した本だが、見たらまたどうしても欲しくて、1050円と安い値がついていたから買う。ほか数冊。「音羽館」でも日高昭二『菊池寛を読む』ほかを買う。この日のブックマークは、「すむーす」同人で、いま絵葉書研究家の生田誠さん。スライドで塔、橋、美人などの絵葉書を見せながら解説。おもしろかった。やっぱり元手がかかっているだけあって、絵葉書のクオリティが高い。ヤフオクと100円ショップが、絵葉書蒐集と整理を大きく変えた。隔世の観がある、と語っていたのが興味深い。
音羽館ちかくの、もと女子向け古道具を売っていた小さな店がギャラリーになり、生田さんがこの日見せた絵葉書の画像データを、A4サイズにカラーでプリントしたものを展示していて、参加者に一人一枚プレゼントと聞いて、いちまい選んでもらう。通天閣があれば、欲しかったが、けっきょく浅草の風景を選ぶ。
日付変って、23日(月)深夜、2時50分からBSプレミアムで「週刊ブックレビュー」の再放送があるようです。いずれにしても、録画以外では見るのが難しい時間帯ですね。