okatake2012-01-09

連休の「ブ」セールあちこち。CDを何枚か〔「くるり」を二枚、ジャズを数枚)、文庫を10冊強買う。栄で、これはレギュラーの105円棚から、講談社文芸文庫井伏鱒二『人と人影』、阿部昭『単純な生活』、中公文庫の河盛好蔵『回想の本棚』、谷沢永一『大正期の文藝評論』なんてところを次々と移動しながら抜いていくと、これがみんな、微妙に真中が凹んで、両側に反っている。つまり、同じ客が売ったものであることがわかるのだ。ぼくと同じ文学趣味を持った人らしい。「スムース」の愛読者っぽいテイスト、と言えばいいか。
『単純な生活』は数が少ないのか、アマゾンだとけっこうな値がついている。訳せば「シンプル・ライフ」と流行のことばになるが、『単純な生活』とは大いに違うのですね。失意の父親が遺した手帳に、漱石「こころ」の一節が書き写してあった、なんて個所がありました。その一節だけ読んでも、やはり漱石はいい。
そうそう「外市」で、ジュン純ちゃんから買ったのが、彼女が一冊一冊、自分でその作品に合わせて描いた特製カバーつき文庫。記念に一冊買う。選んだのが三島由紀夫『美しい星』。