昨日はサン毎初仕事。神保町経由。「下町書友会」で明治の養鶏雑誌三冊ほか、育雛日記、牛馬寄生虫の會会報などのセット。ほか、三月書房の小型本で巌谷大四『おにやらい』、講談社絵本の復刻『四十七士』などを買う。レジに、北多摩地区の古本関連の場所でよくお見かけする古書店主さんと挨拶。「ラジオ、聞いてますよ」と言われて恐縮。しかし、こういう反応があるのはありがたい。
駿河」でとんかつ定食。ただしゴハンは半分、つけあわせのスパゲティは手をつけず。炭水化物を控えているのだ。大阪「炭水化物」人にとってはキツいがやむをえない。ここで、下町で買った本を置き忘れたことにあとで気づく。これで二度目だ。
コミガレでも『鮎川信夫詩論集』、鈴木志郎康『家の中の殺意』ほか三冊。神保町均一も少し流してバラバラと買う。某所均一(210円)で、山川方夫『その一年』(佐野繁次郎装幀)を発見。しかも中田耕治宛て署名入り。しかも、その中田が作詞家の梅木三郎にまた贈った署名も。カァーッとなって「うわわわ」と思わず声が出る。指に食い込む重さのうれしさよ。ただし、よく見るとカバーに補修跡が二ヵ所(一つは大きな傷)。まあ、そりゃあそうだろうなと思う。それでもうれしい。カバーだけ200円ぐらいで売ってくれないだろうか。
毎日新聞社では知ってる顔に何人か新年の挨拶。かつて荻窪で「銀河書房」を経営した銀河さんも、校正マンとして常駐していて挨拶。不思議なご縁だ。
サン毎終え、「駿河」へ忘れた荷物を取りに行き、ぶらぶら歩いて飯田橋へ。途中、「タモリ倶楽部」で紹介された、明治時代の遺構として現役の小石川通り鉄橋をながめる。東京歩きの再開だ。今年がんばって東京を歩こう。
「ギンレイ」ではジェット・リー主演の感動作「海洋天堂」とポーランド映画「木洩れ日の家で」を上映。前者は自閉症の息子と癌で余命いくばくもない父の物語とあってパス。後者だけ見る。ガラス窓、鏡などに映る微妙な陽の光を巧みに処理したモノクロ映画だが、途中,少し退屈して眠る。後味は悪くない。CSで見た日活「七人の挑戦者」は二谷英明主演のジャズメンと暴力団が経営する芸能プロとの拳銃ドンパチを描くアクション映画(珍品)。プリントがきれいなのに驚いた。あと高輪プリンスのビアガーデンで、チキンラーメンをあてにビールを飲むシーンあり。背景で通過する黄色い都電の姿が好ましい。
バレーボールの松平康隆さんが死去。二十年近く前に一度取材している。選手の名前で、続けると「南青山になりますね」とギャグを言ったらウケたので、その頃のことか。

リニューアルした「外市」へ行ってきた。ジュンクのジュンちゃん、蟲文庫さん、徒然舎さんともひさしぶりにコトバを交わす。おお、五つ葉くんも! 本の量が思ったより多く、見応えがあり、けっこう買いました。にわとり文庫からは、レトロな靴墨の缶を500円で。薬入れにしよう。
いい天気なので、ぶらぶら歩いて高田馬場へ。この日電車のなかで読んでいた雑誌「荷風」で、坂東眞砂子『桜雨』集英社文庫が池袋モンパルナスをテーマにしていると知り、高田馬場「ブ」へ寄ったら、あっさり見つかった。高橋アキが弾く武満のCDも買う。ついでに高円寺古書会館。「ぶっくす丈」さんが、もともと安いのを半額にしていて、底抜けの安さになっていた。4冊ほど拾う。大谷晃一の評伝『梶井基次郎』は、探せばうちにあるが、いま読みたいので、買う。けっこう荷物が重たくなる。鈴木貞美編著『梶井基次郎』(河出書房新社)はほんとうによく出来ていて、教わりっぱなしだが、どうやらぼくが訪ねた梶井下宿跡は少し場所が違っていた。植木坂をちょっと上った右手がそうだった。外苑東通りには「橡の花」に書かれた橡の木がまだ残っているという。これは再訪しなくちゃ。