今年第一発目の「スタンバイ!」は、宮島英紀『伝説の「どりこの」』角川書店を紹介する。帰りのハイヤーで飯倉片町まで送ってもらい、さっそく、昨日チェックした梶井基次郎の下宿跡をうろつく。「キャンティ」の裏手は低地になっていて、袋小路の路地。そこに、洒落た集合住宅が建っている。このあたりが梶井の下宿跡だろうと写真をパチリ。島崎藤村旧居跡には標柱が立っていた。そこから上り「植木坂」が、肺を病んだ梶井が休み休み上った坂だ。ブリジストン美術館分館のそばを通り、永坂へ出る少し手前に瀟酒な大きな住居。表札を見ると、これが高峰秀子邸だった。麻布十番へ出て、蛙をお祀りする十番神社に参拝。おみくじを引いたら「小吉」だった。ほんとは、東洋英和の周囲、於多福坂と鳥居坂を制覇するつもりだったが、すぐ目の前に「ちぃバス」というコミュニティバスが来たので飛び乗る。有栖川宮公園をぐるりと回って、また麻布十番まで戻ってくるまで乗った。バスのなかで、梶井『檸檬』(新潮文庫)をつらつらと再読。
中央線まで戻って西荻下車。「音羽館」でタンタンのユリイカ特集、フランス語版のタンタンなどを買い、広瀬くんとお茶してあれこれ情報交換。ここには書けないこともいろいろ。音羽館に置いてもらった『古本道入門』20冊、昨年にあっさり売り切れたという。一人で6冊買ってくれたお客さんがいて、こういう人が1万人いれば、ぼくの将来は安泰なのだが。
西荻ブックマーク新春第一弾は、われらが生田誠さんによる、絵葉書ばなし炸裂であります。おそらく、珍しいコレクションをいろいろ見せてもらえるに違いない。
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