復活してまた走り出した書肆紅屋さんが、ブックオフ探訪ルポを。そうか、あの小さな機械で、バーコードを拾っているのは「ビームセドリ」というのか。棚を占領して、かたっぱしからやっていてせわしない。ブックオフにとっては、売れない在庫をどんどん買ってくれる(買う量がぼくらとは違う)ので、ありがたい客だ。書肆紅屋さんの文章を読んでいると、「ブ」へ行きたくなりますねえ。
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今年はよく有名人が亡くなる年で、というより自分が歳取って、知っている人が亡くなる率が高くなったとも言えるのか、数日前、映画監督の森田芳光の訃報にも驚いた。ぼくは、二十年前ぐらい、雑誌の取材でインタビューしている。その日、6件だか7件だか取材を受けていると聞いたので、映画の話は資料で書きますから、日大落研時代の話をとリクエスト。「えっ、いいの?」と乗って話してくれたのだ。先輩に高田文夫がいて、すでにあまりに巧くて、とてもかなわないと観念した、とか。森田青年は酒がまったく呑めず、落研の飲み会でさんざん呑まされ、吐きながら道玄坂を上って帰ったなどの話を。時間も一時間取ってもらって、40分ぐらいであっさり終えて、これも喜ばれた。どうせ、そんなに字数はなく、いくら話を聞いても書けなかったのだ。
その落研時代の経験を生かした「のようなもの」がバツグンにおもしろくて才気を感じた。シントトの兄弟子をやった尾藤イサオが巧い。あと、秋吉久美子の部屋に、オスカー・ピーターソンのLPがあったな。
図書館で借りた、未読のJ・ディーヴァー『ロードサイド・クロス』をガツガツ読んでいる。リンカーン・ライムものではなくて、キャサリン・ダンスものの第二弾。桂米朝のCDも二枚借りてきた。米朝さんが聴きたくて、聴きたくて。
午後、玉川上水を散歩。「こもれびの湯」を偶然はっけん。焼却場の熱を利用した足湯を、市民に無料で開放している。これはいいや。老人に混じって、浸かる。みんな30分とか一時間とか浸かっていくみたい。葉が落ちた木の枝から、薄い陽が透けて、冷気がかえって気持ちいい。いい楽しみを見つけた。それに今日は柚子湯だ。
連載が終わった「赤旗」編集部Hさんからいい話が。来年、実現すれば、いい年になりそう。果報は寝て待て。