「みちくさ」今年はこれで終り

雨上がり、日中はいい天気。夕方から黒い雲が、突如、激しい雨という展開に。その前に「みちくさ市」を無事、終了し、撤退していたので無事だった。気候としては、ちょうどいい感じ。手作り市からのお客さんの流れはあったが、どうも出品するブツが、ぼくはマンネリなのか、このところずっと売上げが悪い。売上げが悪いと、疲れも増幅されるのですね。おまけに、帰り、中央線が人身事故でストップ。一時間近く足止めを食った。
スタート時、売り場へ向う途中、喜国雅彦さんに挨拶され、立ち話。喜国さん、若い頃、この界隈で貧乏生活(ただし楽しい)を送っていたそうだ。あとで、北原尚彦さんに紹介される。ええっ、北原さんてこういう人か。じつは、即売会や神保町周辺で必ず見かける、それらしい年格好の男性がいて、ぼくは秘かに、彼を北原さんだと思いこんでいた。中央線族だそうで、またどこかでご一緒しましょうと話す。喜国さん、北原さんともに、ぼくとは古本の蒐集対象がずれているため、敵対関係にあらず、いい関係。
午前につん堂さんに大人買いをしてもらった後は,どうも調子が出ない。向い、目の前の、文房具のデッドストックを販売しているブースは、いつも人がたかっていた。本より文房具。それに負けないブツをもってくるしかない。その点は反省だ。「古本おみくじ」は、低調を見越して、あんまり数、作っていかなかったが、全部使った。お買い上げくださったみなさんに感謝します。ハニカミくんは参上せず。受験追い込みの時期だもんな。晴れて、大学生になって、また「みちくさ」に来てほしい。ハニカミくんが現れると、周囲の空気が一変するものな。花びらが舞い、小さな無数の天使が周囲に飛び交う感じ。
「北方人」さんから、近著の盛厚三『「挽歌」物語 作家原田康子とその時代』釧路新書をいただく。ありがとうございます。中戸川吉二といい、強いスポットライトの当らない存在を、こうして熱っぽく称揚する「北方人」さんに感服する。
本を全部、箱に詰めて宅急便の手配をしたため,帰りの電車で読む本がない。あわてて、仕舞い支度をしている「みちくさ」本部の棚から、中村文孝『リブロが本屋であったころ』(論創社)を買う。芳林堂、リブロ、ジュンクと渡り歩いた、出版も書店も読者も元気な頃に最先端の書店員だった著者が、小田光雄という最適の聴き手を得て、書店員人生を振り替える。もちろん、めちゃくちゃおもしろい。知らないことが沢山出てくる。雑誌のバンクナンバーを常備して売る手法は芳林堂が「ユリイカ」で始めた。芳林堂には骨董部があり、中村は最初、その骨董部から出発など。
あ、それから、甘夏さんと放浪くんが姉弟というのは、ガセネタでありました。誰から聞いたんだろう? 夢のなかで聞いた勘違いか。お二人には失礼しました。削除しておきます。