朝、TBS終えて、ほんとうにひさしぶりに「ギンレイ」で1本見る。「ヤコブの手紙」。一時間ちょっとの、いい短編を読んだような後味の作品。終身刑を恩赦で短縮して娑婆に出た、魅力のない太った女性が主人公、というのもすごい。視力を失った老牧師のもとに雇われ、彼の元に届く信徒からの手紙を読み、返事を代筆する。ほかに登場人物は、手紙を運ぶ(ちょっと変わった自転車)郵便配達だけ。ワイエスの絵みたいな、荒涼たる風景。そこに、最後に血が通う。
上野へ移動。エキュート上野に入っている「anger」という、高級文具と少しだけ本を置いた店に、ぼくと山本の本が置かれているというので見学に。「つん堂」さん、情報ありがとう。ほんとだ。『雑学王』を置いてくれているのは珍しい。ありがとうございます。なかなか売れないと思うけど、よろしくお願いします。
沢野工房のジャズCDも揃っている。田村隆一『詩人からの伝言』(MF文庫)を記念に買う。沢野工房の小さなCDサイズのカタログももらってきた。
このあと、渋谷NHKで、「ラジオ深夜便」の録音。1回が10分ほどで、自分で作った原稿を読むスタイル。1回目は、2テイク録ったので、計10分×5、集中して一人語りする。最後のテイクは、もう、声は出ず、しょっちゅうつっかえて、ろれつも回らなくなってきた。こんなんでだいじょうぶかしらん。それでも何とか4回分を録り終える。放心の状態で、もらったタクシー券で帰宅。
向田邦子のイラストを描くが似ないで困る。何度も描き直し、子ども時代の顔でお茶を濁す