選ばれた日に

日曜朝、日曜美術館舟越保武。食い入るように見る。長崎で見た、26聖人像のこと、思う。レプリカがあれば、一体でもいいから欲しい。26聖人殉教の2月5日に、また舟越も昇天したと知る。誕生日に死んだ小津安二郎と同じく、選ばれたような日に生涯を終える人がいる。
.昨夜、テレビ東京だろうか、森本レオが高円寺をガイドするという番組で、ひょっとして、と思ったら、やっぱりコクテイルが登場。榊原郁恵がコクテイルにいる光景を、誰が想像できたろう。狩野くんの無表情、無愛想ぶりが、とてもよかった。それでいいのだ。
午後、初校ゲラのチェック。夜、「あった、あった。」は、昭和六年主婦之友ふろく『家庭マッサージ独習法』。「ビッグイシュー」は、北杜夫追悼の意味を込め、『どくとるマンボウ航海記』を取り上げる。『航海記』を読むのは中学以来かもしれない。
「航海記」部屋を探しても見つからず、「ブ」へ。簡単に見つかる。ついでに中山ラビ「ひらひら」を買う。
午後、コーヒー飲みながら、CSで、S・キング原作にフランク・ダラボン監督と言えば、「ショーシャンクの空」「グリーンマイル」コンビによる、というところに惹かれて「ミスト」を観る。ああ、時間のムダだった。おそろしくバカバカしく、つまらない映画だった。内容を紹介する気にもなれない。

中川五郎さんの話をうかがっていて、フォークの黎明期について、強い関心を持ったのだが、1968年が重要な年だった、ということがわかった。これについては、どこかで書きたい。この年、日本初の楽譜雑誌「新譜ジャーナル」が創刊されるが、それまで、アメリカのフォークなど、曲の楽譜はどうしていたか。もちろん、情報は不足して、中川さんによれば、紙にコードを書き取るということもなく、みんな演奏者のを見て、見て覚えたというのだ。また、仲間からは教わって覚えた。この古典芸能の継承のような、見て、身体に覚えさせるというのが、なんだか凄いと思った。中川さんは、2000年に入ってから、勢力的にライブをして、全国を回っている。今年も年末までスケジュールがいっぱい。月の半分はライブがある。歌っている姿も、じつに楽しそう。いま、音楽活動のうえで、いちばんいい状態にあるのではないか。生意気なようだが、そう思った。いま、書下しで小説を執筆中という。