28日富士吉田。昨年につづき「ナノリウム」中植さんに呼ばれ、今回は中川五郎さんのライブのあと、ぼくが中川さんにあれこれ聞くトークを、月江寺のジャズバーでやる。富士山駅まで行かず、月江寺駅で降りて、ブラブラした方がおもしろい。フォーク酒場もあると聞く。中川さんには、60年代半ばから後半の関西のフォークシーンについて喋ってもらった。高校生のときから「腰までフォークまみれ」になっていた。フォークル、高石友也岡林信康、そして京都へやってきた高田渡との交遊など、どれも記憶が正確でおもしろい。ちゃんと新書で一冊、まとめておいてほしい話だ。
翌朝、つまり今日、早起きし、東京へ。神保町S館で、読書アドバイザー講座。例年のごとく、古本の話をする。資料として送った本の箱を開けて「!」。富士吉田の一箱古本市のために送ったはずの荷物が届いている。すると、資料の箱は富士吉田へ行っているわけだ。あれほど、宅急便で送る際、コンビニの兄ちゃんに「間違えないでね」と念を押したのに、伝票を貼り間違えたらしい。決着ついたので、名前は武士の情けで伏せるが、すぐ会社に電話して、事後の処理をしてもらう。しかたなく、講座では、資料の本なしで、最後に一箱で売るはずだった本を紹介し、講座が終わったら販売しますと言ったら、ウケて、本当にすぐ人が群がり、ものの十五分ぐらいで半分以上、三分の二ぐらいが売れた。ほんと、転んでもただ起きないのが大阪人だ。
ちょっと青空展を覗き、三冊買い、青空古本まつりへも行ってみたが、あまりの人に、「ぶらじる」へ避難。コーヒーを飲んで休憩。2時から、朝日新聞の取材を受ける。ちょっとコメントをする程度かと思ったら、大所帯の取材班が来て、写真もばっちり撮られる。掲載されるときには、またお知らせします。
帰り、高円寺「博覧会」展へ。盛林堂の若旦那に「おそいですよ、岡崎さん。いいの、もう売れちゃいましたよ」と言われる。たしかに、各棚がガタガタだ。股旅堂くん、黒沢くん、とんぼさん、うみねこさんなどに挨拶。『突ガバ読本』がいちばんの買い物か。1966年津村順天堂のPR雑誌「おとなの絵本」創刊号は、お風呂版「洋酒天国」みたいで、あか抜けた編集とデザイン。これも買い物。角川mini文庫『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』は、絵と文章が交互になった体裁。なかなかいい。ほか、ポストカードアルバムは、モノクロのヌード絵葉書が20枚ほど挟んであったが、これをはずして、自分用の絵葉書ブックとして使おうと思う。ほか、もろもろ。
いやあ、ひさしぶりに骨の髄まで疲れた。這々の体で帰宅。
中野晴行『「新寳島」の光と影 幻のマンガ家・酒井七馬伝小学館、石橋毅史『「本屋」は死なない』新潮社、川本三郎『小説を、映画を、鉄道が走る』』集英社をいただいています。どれも読みたい本ばかり。