加藤和彦のドキュメントを見たもので、「ボレロ・カリフォルニア」を買う。微妙な感想を抱く。

TBS放送原稿、長谷川晶一『最弱球団』を送る。
古通」連載は、山形県鶴岡の「阿部久書店」。次は、根岸か、それとも都内温泉をからめた散歩にするか思案中。
床に積まれた本の山のてっぺんにあった、吉行淳之介『懐かしい人たち』を、ひょいと手に取って再読し出すととまらない。いろんな作家とのエピソードは覚えているものもあるし、忘れて新鮮なものも。それに、時代を感じさせるディテール。高見順の家で、昭和25年に飲んだサントリーの角は、五年後のスコッチの上等に匹敵する、と書いてある。日本の映画を見ていたら、「角」が、さも大事そうに、高級酒扱いで登場することがあるが、そういうことか。
夜、高校時代の友人、白石から電話。われらが恩師、担任の飯山和子先生が他界されたと聞く。ぼくは、一年、二年とも、この家庭科の先生に担任してもらった。二年のときは、年間で遅刻50回以上というぐうたら高校生で、それでも先生は「岡崎くん、ちょっと、これじゃ困るねえ」と言う感じ。いつもあたたかく生徒を見守る、というタイプの先生だった。数年前、クラスで同窓会をしたとき、来てくださって、「また、10年後に」なんてことを、幹事が挨拶で言ったら、「そんなに長く、わたし、生きてないわよ」とおっしゃていたが、その通りになった。翌年、また同窓会が開かれて、それにも出席されたようだが、ぼくは行けなかった。
二年の夏休み、うちの父親が急逝し、そのときも、たぶんあれこれお世話になった事と思う。ご冥福をお祈りします。もちろん善行堂の担任でもある。