昨日は秋晴れ。半袖の人も多い日より。午後、外出。池袋「ますく堂」へ。「古本屋をやるぞ」と志を抱いて上京してきた小さな女性が、思ったより早く、夢を実現させた。池袋西口。西口公園を抜け、劇場通りをわたり、西池袋公園の中央の道をすすむとすぐ、右手に「ますく堂」の手書き看板が見える。もと、スナックと聞いたが、ドアはスナックそのものだ。店内の描写と写真はモンガさんがアップしているので、こちらを。http://monganao.exblog.jp/
足が悪いおばあさんが、まるで十年前から通っているように、増田さんと喋っているのがおかしかった。スナック時代の大きな食器棚には、まだグラス等がそのまま乗っていて、寸胴の鍋もある。「カレーでも作って、売ったら?」と増田さんに言う。壁一面の本棚は、本や古本のコーナーを除けば雑多な印象。急いで用意したことがわかる。ぼくは文庫三冊を買う。途中、けっこう人通りもあったから、うまくこの地に定着するといい。
丸の内線で御茶ノ水。神保町へ。電車のなかでは、楜沢健『だから、鶴涁!』を読む。古書会館で新宿展。初日だったが、ひっそりしている。特にどうしてもという本は見当たらなかったが、せっかく来たのだから、井伏鱒二『人と人影』講談社文芸文庫ロレンス・ダレル『トウンク』、北村太郎『樹上の猫』、金子勝昭『歴史としての文藝春秋』を買う。澤口圴一で「新潮 小林秀雄講演CDつき」、三省堂の古書館で、なにわ塾叢書の村田藤吾『建築をつくる者の心』を買う。
夜、「坐・和民」で、小柳さん、堀江さんという同年代の古本コンビと飲む。前々から約束しながら、あれこれ条件があわず、この日まで実現しなかった。申しわけない。三時間半、古本の話だけをする。
「ますく堂」につづき、わめぞエリアに、また新しい古本屋がオープン。「寝床や」で知られる若者が、古道具も一緒に、斬新な店を作ったようだ。往来座の瀬戸くんのレポートを見よ。http://ouraiza.exblog.jp/

善行堂が、うわさの「旅と本のコラム DECO・CHAT」と、新しい善行堂絵葉書(林哲夫・画)5枚を送ってくれた。ありがとう。
「旅deco」は金子彰子さんの詩が巻頭におかれ、国内篇、国外篇と、旅と本にまつわる見開きコラムで構成されている。山本善行はじめ、知ってる名前もたくさん。さっそく抹茶ラテをいれて、ソフェでぱらぱら読む。手になじむ判型もいい。上下を空けてゆったり組んでいるので、詩を読むように、文章が読める。書店や古本屋のレジに置かれてあると、つい手が伸びそうな雑誌である。続けるのは、何かと大変だろうが、一号で終わらず、息長くバックナンバーを重ねていただきたい。ぼくは、娘の生物の試験勉強につきあったら、頭が痛くなってしまった。細胞分裂とか、ちんぷんかんぷんである。