いつか読書する日

okatake2011-10-09

つん堂さんが、昨日の「秋も一箱」の模様をたくさん写真をアップして紹介している。知ってる顔がいっぱい。ぼくは参加もならず、客としても行けなかった。新宿以東がとても遠く感じられる今日この頃である。
http://d.hatena.ne.jp/tundow/
そのかわり、と言ってはなんだが、昨日は、西荻「なずな屋」へ補充と精算。魚雷くん、精算が四カ月分あるそうですよ。仙台、京都での飲み代ぐらいは軽く溜まってるはず。取りに行かないと、ぼくと澄ちゃんで飲んでしまうよ。「音羽館」均一でがさごそ。中で、これも未見だった横浜美術館カタログ(といっても大修館書店から市販)『失楽園 風景表現の近代1870-1945』を1500円。これも同じ人が売ったのではないか、均一の目黒美術館の薄いカタログ『旅へのあこがれ 画家たちのグランド・ツアー』。高円寺即売展で二冊。国立「みちくさ」店頭で可楽と円生CDを2枚買う。夜はぼくがお好み焼きを作る。
音羽館均一で買った、映画「いつか読書する日」の単行本。シナリオと出演者、監督インタビュー。坂の多い長崎をロケした、映画そのものにはちょっと不満もあったのだが、なにしろ田中裕子が牛乳配達とスーパーのレジをする独身五十女を演じ、本に囲まれた家に住み、夜は読書する、それだけが楽しみというそのたたずまいは強い印象があった。日本版「桟橋で読書する女」か。彼女がどんな本を読んでいるか、また本棚にどんな本が並んでいるか、確認するために、今度、DVDを借りてこようと思う。本のなかには、「大場美奈子さんの本棚より」という章があり、四畳半の部屋に壁二面、天井まで本を積みあげた本棚と、壁にもたれ座る田中裕子の姿の写真がある。にんげん、一生をかけての読書生活、これでじゅうぶんという本棚だ。そして脚本の青木研次が、美奈子になりきって、彼女の愛読書を紹介している。これ、粋なページですね。大場美奈子(田中裕子)の好きな本は、『チボー家の人々』、『さようならコロンバス』、パヴェーゼ『美しい夏』、『海からの贈り物』、『原寸イラストによる落葉図鑑』、田中小実昌ポケミスのカーター・ブラウン『おんな』、『アメリカの鱒釣り』、『おそうざい十二カ月』、『飛ぶ教室』、『夫婦善哉』。しびれるようなチョイスだ。よくわかってますねえ。それぞれの書影も、パヴェーゼ晶文社版、『夫婦善哉』が古い版の新潮文庫など、古本臭がぷんぷんする。ぼくは、この大場美奈子さんのために、長崎(映画では西東市)の坂の途中で、古本屋をやりたいと思うのでした。この「いつか読書する日」本、アマゾンで安く手に入りますよ。
港区新橋「東京美術倶楽部」で、来る10月14日から16日、絵画や古美術、茶道具などを展示する東美アートフェアが開催される。われらが林哲夫さんも、そのなかで、「在るがまま」という個展を開かれます。林さんの生絵を見るのはひさしぶり。ぜひ駆けつけたい。
http://www.toobi.co.jp/artfair/index.html