おお、鶴見花月園

okatake2011-09-30

午前、高円寺「好書会」。未所持の古本屋値段シール「小出書店」が欲しくて、講談社ロマンブックスの石原慎太郎『銀色の牙』を買う。200円。池谷さん、林哲夫さんに比べたら、まだコレクションが圧倒的に少ないが(30数種)、できるだけ、古本屋の値段シール、珍しいものがあったら、蒐集していこうと思っている。
竹橋移動、「サン毎」終えて、神保町移動。コミガレで3冊。「赤旗」(上京する文學)次回、寺山修司を取り上げるつもりなので、持ってるのは確実だが、河出の新文芸読本を買う。
神保町シアターで、川島雄三「夜の肌」を観る。じつは、神シア、初めて。いつも神保町ではいろいろ用事があって、観る機会がなかった。「ギンレイ」へ行くってこともある。その「ギンレイ」にパスポート更新してから、まったく行けていない。「夜の肌」はこんな話。
http://movie.goo.ne.jp/movies/p23309/story.html
キャストはこれ。
http://movie.goo.ne.jp/movies/p23309/cast.html
昭和三十年代半ばの赤坂周辺の風景が、議事堂を象徴にして、加藤武の語りでインサートされる。議事堂が丘の上にあり、赤坂の料亭はその谷底にある、というのがよくわかる。まだ、料亭御用達の人力車が走っていた。淡路千景と新球三千代の長いケンカのシーンが受けていた。末妹の学生仲間のなかに蜷川幸雄がいたのを、会場の人、気付いたかな。伊藤雄之助が怪演、というのは野暮で、怪演しかしたことがない。
現TBSの東京放送時代の旧社屋も(テレビ東京の名で)、増築工事も映る。ぼくは川戸貞吉さんと、自殺した三木助取材のため、この旧TBSを訪れている。映画ではテレビ東京ディレクターとして逗子とんぼが出演。柳澤眞一が、伊藤つきの新聞記者として、じつにそれらしく出ている。フランキーを含め、川島演出は、じつにそれらしい配役をうまく生かしてみごと。淡路が経営するバーの隣りに活版印刷屋があり、日枝神社だろうか、鳥居がその先にいつも見える。ロッジふうの喫茶かレストランも映る。川本さん、この映画について、何か書いていたかな。しかし、話自体はたいしたことない。
野村芳太郎ゼロの焦点」でも、サントリーの角が重要な小道具として登場していたが、「夜の肌」にも、やっぱり角が出てくる。淡島経営の赤坂の小さなバーでは、ビールが400円。パトロン田崎潤は300万円を貢ぐ。
『鶴見花月園秘話』という本が鶴見区文化協会から出ていることを知って、問い合わせたら、著者の齋藤美枝さんが、在庫を送ってくださった。一時、「花月園」がマイブームの時期があったが、この本はそれ以後(2007年)に出たので、気付かなかった。写真多数の、よくぞここまで調べあげたというすばらしい本。
舌の火傷、痛み、ピークで、昼、おにぎりを泣きながらボソボソ食べる。口の中をいつも緊張させているため、唇が乾き、肩が凝る。どこか一ヵ所、身体に異変が起きても、それは全身に影響が及ぶのですね。
帰り、西荻下車。「なずな屋」に少し補充。「音羽館」で売った本の精算。