白線文庫だ、黒磯だ。

大人の休日パスのラストを使って黒磯へ。往きは、大宮から「やまびこ」の自由席で、と思って並んでたら、いやいや後列だったら危なかったぐらい混んでる。帰りの2時半那須塩原「なすの」はガラガラだったから、ビジネスマン特急なんだな。
「白線文庫」は古民家をシンプルに、もとの家屋のよさをうまく生かした店づくり。店主の小島佳織さん、涼し気な美女でした。あれこれ、楽しい話をうかがう。取材みたいになってしまった。ごめんなさい。鳥取出身、中高と吹奏楽、オーケストラを経験し、音大では打楽器。ちょっと出雲の吹奏楽小僧だったナンダロウくんと似てるなあ。卒業後、ユニークな職歴あり。これ、どこかでちゃんと紹介します。ほんとは『女子の古本屋』補遺で取材するつもりでいたが、あの地震でダメになったのでした。そうそう、小島さんとは「つん堂」さん、「古ツア」さんの話もしました。
告知
「始まりました!
スーベニアフロムトーキョーでの出張白線文庫です。
昨日設営の最終チェックも終わり、小さな白線文庫がミュージアムショップの中に出現しています。スーベニアフロムトーキョーは、広いスペースの中に見ているだけで楽しくなってしまうような品々が散りばめられていて、普段の生活にちょっと取り入れるだけでわくわくした気分になれる本や雑貨がつまっています。お買い物ついでに、どうぞ白線文庫も覗いてみてください。私は会場にはおりませんが、ゆっくりじっくりお楽しみいただければと思います。ぜひみなさま、六本木の国立新美術館までお越し下さいませ。期間中も黒磯の白線文庫は通常通り営業しています。こちらもご来店お待ちしています。秋の那須はまた良いんです。

8月31日(水)から10月3日まで
SOUVENIR FROM TOKYOにて
小さな白線文庫、営業中。

東京都港区六本木7-22-2
国立新美術館B1
10:00-18:00(金曜日のみ20:00まで)
毎週火曜日定休(祝日又は休日に当たる場合は開館し、翌日休館)」

六本木で「白線文庫」が垣間みれる。

駅から途中の商店街は人影無し。カフェ「SHOZO」だけは客がたくさんいた。黒磯の「白線文庫」周辺に、「SHOZO」が雑貨店や洋服やさんなど、いろんな店を出店している。駅前には「tamiser」という店が月火だけ開いている。これは恵比寿だったけ、の古道具屋さんの出店。「白線文庫」さんのダンナさんが「SHOZO」で働いていて、とにかく「黒磯」のお洒落は、この徒歩10分圏内で熟成発酵している。まだまだ、この先、店が増える(長野と同じく、家賃がバカ安)可能性を秘めていると思いました。「ブ」もあって、寄るつもりだったが、寄らずに帰った。めずらしいこと。
と言いながら、やっぱり大宮で下車。「ブ」(ここは105円文庫の数がすごいなあ)で、CD一枚(CD、DVDの量もすごい)。畠山美由紀『リフレクション』を買う。じつは今週末、というか日曜、アン・サリー様と畠山さんのジョイントライブへ行くから予習、予習。ほんと、気楽な54歳だ。
往きの大宮駅構内の書店で、「新潮」10月号を買う。まさか、こんなところにあるとは思わなかったので(大宮駅、ごめんよ)新幹線で読もうと思って買う。で、行き帰りで、丸谷才一の八年ぶり書き下ろし長編「持ち重りする薔薇の花」を読む。ぼくは堪能したなあ。経団連会長をリタイアした男が、元大手出版社の編集者だった年下の友人に、ジュリアードの日本人学生たちで結成されたカルテット(男は彼らのカルテット名の名付け親)の二十年について語る。人生の紆余曲折が、ときに華やぎ、ときに苦渋に満ちて進行していく。そこに高級な音楽論が折り込まれ、あれよあれよと粋な結末へ。エロチックな話題もあり、楽しい小説だった。不思議なタイトルは、ある重要な場面のエピソードから来ていて、なかなか感動的。単行本になった時点で、どこかに書評を書かせてもらおう。
写真はその「新潮」と、「白線文庫」で買った深尾須磨子詩集『列島おんなのうた』紀伊国屋書店