一本の線

「上京する文學」五木寛之編を半分まで書いて外出。「サンデー毎日」で仕事。このところ、いつも仕事の途中で、机につっぷして仮眠をとるくせがついてしまった。だらしない奴に見えるだろうな、まわりから。コミガレでユリイカ3冊ほか6冊。ユリイカでは「グレン・グールド」が買えてよかった。野見山暁治『一本の線』朝日新聞社を、「澤口」の均一で見つけて、状態のいいものだったが、200円だと思いこんで手にとったら500円だったので返す。そしたら、タテキンで、状態は落ちるが100円で見つけた。これはガシガシ読むつもりなので、これでじゅうぶん。「たなごころ」へ寄って、『女子の古本屋』にサイン、落款、イラストを入れる。たなごころさん、柏のデパートで始まる即売会参加で忙しそうだったが、『女子の古本屋』を読んで、来てくださったお客さんが何人かいて、喜んでくださった。お役にたてて、よかった。
古書展へ少し寄って、斎藤憐『ジャズで踊ってリキュルで更けて』という西条八十伝、ほか三一新書の『チェ・ゲバラ伝』などを買う。後者は「あった、あった。」ネタなり。
帰り、車中で『一本の線』読み出したら、なんというおもしろさか。野見山が芸大受験し、東京で絵描き修業を始める青春期の話から始まる。話自体もおもしろいのだが、その書きっぷりが、即物的ながら、独特の話法をもった文章で、引き込まれる。ちょっと義弟の田中小実昌と並べて論じたくなる文章。いずれにせよ、この自伝は傑作。しかも池袋モンパルナスの話に突入。ぐいぐい読ませる。
西荻下車、「なずな屋」に補充(澄ちゃんは留守)、音羽館の内外でがさごそ買う。池澤夏樹訳、リチャード・ブローティガン詩集『チャイナタウンからの葉書』は、1990年の新装版。見たら、欲しくなったので買う。広瀬くんと「赤レンガ」でお茶。アイスコーヒーを飲んだばかりなので、ミックスジュース。たまにのむとうまいですね。広瀬くんから、ジュリーの本が売れる、と聞く。玉村豊男が書いた『わが名はジュリー』の元本は、たいそう凝った作りなのだそう。見たことないや。中公文庫版も、そういえば、長らく見ていない。アマゾンで1万円ついてる。驚愕。