連日、光文社メルマガ「蔵書の苦しみ」連載原稿と格闘。ところが、試験前みたいに、関係ない本をガンガン読んでしまう。いや、少しは、そこに引っかかりを求めて、でもあるんだが。再読の中村眞一郎『わが点鬼簿』もそんな一冊。「点鬼簿」とあるから当然だが、自殺、早死に含め、知人友人の死屍累々たる軌跡。死別した妻、女優だった新田瑛子の名前が、この本にはたくさん出てくる。森雅之が、この瑛子を「つまらない女」と吐き捨て、「あれが死んでから、君の書くものはぐっとよくなったじゃないか」と言ったなど、興味深いエピソード各種。中村は極端な「てれ性」で、それで誤解を受けることもあったという。交遊についても、考えさせるところいくたびもあり。ひとは、そのとき欲している本と巡り会うものだ。
写真は、「蔵書の苦しみ」用につくったメモ帳。新潮文庫「マイブック」に、「ちくま」の表紙を貼ったもの。ほかに、ノートも作っている。
明日は筑摩書房へ「女子の古本屋」に80冊ばかりサインし、サン毎を前倒しで済ませ、いよいよ神戸入りだ。京都探索もするつもり。堅田へも行きたいんだ。