パルドン・ムッシュウ

かかりつけの担当医が病院を変わり、それにくっつくかたちで、病院を変えた。開院したばかりのビルの一室にある、まあ診療所、だな。初診となるので、身体測定から。身長が179・5センチ。ずっと179かと思ってたが、伸びたか。180とならないところが、いかにも中途半端だ。
国立「ブ」で新潮文庫、改版の『夜明け前』4冊が出ていたので、バージョンアップ。福永武彦『忘却の河』も改版でカバーが変わり、遺児の池澤夏樹のエッセイが新たに追加。そうか、生後一年にして、父のもとを事情があって離れたのか。こいつも買う。
豊崎由美さん『ニッポンの書評』光文社新書がとどく。これは「北海道新聞」書評用。
重金敦之さんから『編集者の食と酒と』左右社をいただく。重金さんは、もと「週刊朝日」編集者。川本三郎さんの在籍期間と重なっているんじゃないかな。ぼくの『女子の古本屋』の書評を同誌で書いてくれた方。この本にもその書評が収まっている。「直木賞本屋大賞」「さし絵画家と小説家との一途な暗闘」「原稿料と原稿量」など、おもしろそうな話題がいっぱい。たとえば、
「朝日」の有楽町時代、すでに社屋は飽和状態。「週刊朝日」編集部も狭かった。ちょうど開高が「ずばり東京」を連載中、「巨躯の開高健はすれ違うたびに『パルドン・ムッシュウ』と言って、身体を小さくすくめるように空いている席を探し、原稿を書き始めるのだった。大きな声なので遠くからでも、その存在がわかった」とある。「ずばり東京」は、編集部を仕事場にして原稿を書いていたのか。