いつもギリギリ男だ

あかんなあ、いつもギリギリだ。ブックマーク名古屋で、今年もリブロ名古屋の古本市に出品することになり、もう発送は今日ぎりぎり。昨夜、あわてて二箱分の荷物に(計60冊)値札をつけ、添付エクセルの表を埋めたが、二つ目のファイル(別に保存)をどうやって添付していいかわからない。あせる、あせる。ほかの原稿や、いろんなこと、一挙に押し寄せ、アップアップのなか、今朝、ミニストップへ二箱持ち込み、宅急便(ゆうパック)手続きする。いつも、クロネコに集配に来てもらって、みちくさでも何でも送っていたが、同じ宛先なら、持ち込んで「ゆうパック」の方がはるかに安いことがわかったのだ。みかん箱程度で、これまで一箱1300円から1400円払っていたが、ゆパックで複数口なら2箱で1500円。しかも用紙は一枚に記入するだけ。だんぜん、こっちです。
今日いちにち、あれこれあるが、家を出るぎりぎりまで、ちゃんと仕事をします。ひさしぶりにケツに火がついた。
ビッグイシューの締め切りも失念していて、大急ぎで吉田健一『東京の音』ちくま学芸文庫に決め、読み出すが、焦るせいか、頭にちっとも入ってこない。

さっき帰宅。いやあ長い一日。ビッグイシュー原稿を送り、その勢いで集中して「赤旗」連載、「上京する文學」山本周五郎を書き、あわてて外出。「サン毎」に顔を出し、本を選び、パレスサイドビル地階の「赤坂飯店」で、前任の担当者Iさんの送別会。ノンフィクション、評論家など錚々たる面々が集まる。張競さんとも初めてコトバを交わした。どういうことからか、ぼくが丸谷才一さんを取材し、丸谷さんに手ずからお茶を煎れてもらった話をしたとき、丸谷さんのものまねをしたのだが、帳競さんが「そっくり!」と言ってくださった。文学者のモノマネ芸をエントリーしようか。
ビール1本、紹興酒も少し飲んで、現場復帰し、書評を書く。またあわてて飯田橋へ。「ブ」で単行本一冊、新書一冊を拾い「ギンレイ」へ。韓国・フランス映画「冬の小鳥」、川口浩史「トロッコ」を見る。2本続けてみたのは、このあと、「オカトーーーク」のCMを作ることになり、その待ち合わせがあるから。「冬の小鳥」は、韓国版「大人は判ってくれない」というべきか。父親がいながら、ソウル郊外の養護施設に預けられた少女ジニの壮絶な孤独心と葛藤を描く。安きにつかず、印象的なショットを積み重ね、これはリッパな作品でした。ジニは荷台で、父親の背中にもたれて、暗い夜道を自転車が走るシーンが詩のようだ。
「トロッコ」は、じつは大いに期待したのだが、半分、退屈した。台湾と日本、かつて同化政策がとられ、引き裂かれた遺産を、死んだ台湾人の夫の実家を訪ねる日本人女性とその二人の息子、かつて日本語をマスターした祖父の姿を描く。そこに、どうしても理屈が先立つ。トロッコでの小冒険のシーンなど、もっと愉快で軽快で楽しくなければいけない。トロッコを使う意味が、その必然性がどうも弱い。どちらをもう一度見るかと言われたら、「冬の小鳥」の方だな。
夜は飯田橋カラオケボックスを使って、「オカトーーク」CM撮り。