二月十四日といえば

okatake2011-02-14

二月十四日、と言えば金子彰子記念日。
そう、一年前の今日だったんですね。金子彰子さんが龜鳴屋から詩集『二月十四日』を出したのは。あれから金子さんは京都や東京を飛び回り、ささやき続けてきた。そこから多くの人の輪が広がったみたい。十五歳の少女が大きく時をバウンドして、いまの世に息を吹き返したようなできごとでした。それほどのチカラを持つ『二月十四日』であり、金子彰子さんでした。とにかく、いろんなことがあった一年で、もう二、三年前のような気がしていました。
武田尚子『チョコレートの世界史』(中公新書)によれば、チョコレートの発生は飲み物で、甘くなく、苦く渋く、薬として飲まれた。三角貿易で奴隷や武器と並んでカカオも、ヨーロッパへ渡り、甘さが加わる。苦く渋い時代を経て、甘くなったんですね。
今日はとびきり寒い一日になりそうですが、ココアでも飲みながら『二月十四日』を読もう。

耳は聞こえなくなっている/睫毛を二つ揃えながら/睡いだけではない/夜のことを/考え始めている/雲もいつしか/近々と迫ってきていた
(「遠山」より)

夕方、ルーやスパイスが小分けになったカレーセットでお父さんカレーを作る。さっき、ようやく『絵草紙屋 江戸の浮世絵ショップ』平凡社選書の書評(時事通信)を書き上げる。近世の文学も出版も絵もまったく門外漢だから、ちょいと苦労しました。で、外を見たら雪なのね。けっこう積もりそう。「あった、あった。」は、伊丹十三『問いつめられたパパとママの本』中央公論社を。これ、大橋歩装幀のもとの本がイカしています。

http://www.youtube.com/watch?v=ClWDc6tkyQw