西から東へ

okatake2011-01-30

深夜までアジア杯、見てたので、珍しく遅起き。
昨日は高円寺「均一祭」からスタート。館内すべて200円ということで三周ぐらい回るが5冊拾ったのみ。特筆すべき買い物はなかった。金沢文圃閣さんが出張してきて、本棚の隅に戦利品が積み上げてある。しゃがむと見えるので、ちょっと見ると、なんだか書名も著者名もこっちには引っかかって来ない本ばかり。これがプロだ。「10年ぐらいのスパンで考えていますから」と言うことだが、そうか、10年持っていて、そのうち、誰か一人、買う人がいれば成立するんだ。
中嶋くんがいたのでお昼を誘う。中嶋くんの戦利品が、これがまた、ぼくの見るところとはまったく違う路線でおもしろそうなものを拾っている。
飯田橋へ移動し、「ギンレイ」で残りの一本を。「ペルシア猫を誰も知らない」というイラン映画。イランで音楽をする若者たちの現実を、なんとかロンドンへ渡って音楽をしたいと考えるカップル二人を軸に描く。ロックをやっているとすぐ通報されて、逮捕、楽器は没収されるという不自由な国で、迷路のような地下や、屋上に作った小屋で練習をする様が描かれる。深刻なのだが、みんなどこか、達観して受け止めていて、のんびりと明るいのが面白い。イヌやネコも出てきます。恥ずかしい話だが、「闇の列車、光の旅」のメキシコに続き、まったく知らない世界でありました。
http://persian-neko.com/
6時から日暮里「信天翁」で、ピッポさんと平田俊子さんのイベント。西から東へ、どんどん離れていく。
ぼくは5番目の整理番号で席についたのだが、北條くん、「港の人」月永さん、未来社・天野さん、ナンダロウくん、水口くん、ハニカミ高校生くんと続々、知り合いが集まってきた。50人近い集客になったのでは。
高村光太郎がテーマだが、全面礼讃のピッポさんに、ツッコミを入れるように平田さんが疑義を唱えるという進行になる。平田さんは批評的評価とでもいうべきか。しかし、資料を用意し、平田さんが光太郎をよく読込んでいるのがわかる。ぼくはいちおう、新潮文庫智恵子抄』と岩波文庫高村光太郎詩集』を用意していったが、前者をピッポさん、後者を平田さんがテキストにしていたので驚く。
ぼくは光太郎の良さはあんまりわからない。ただ「コカコオラ」を1912年の詩に読込んでいたり、千駄木丸善インキ工場、カフェ、銀座など都市風俗をとりこんでいる部分に興味がある。
仙台「火星の庭」前野久美子編著『ブックカフェのある街』(仙台文庫)、川村蘭太『しづ子 娼婦と呼ばれた俳人を追って』(新潮社)、川本三郎『それぞれの東京 昭和の町に生きた作家たち』(淡交社)などをいただいております。いずれも関心のある内容で、じっくり読もうと思います。