黒岩さん熱

okatake2011-01-22

昨日の「がらくた」では、勝川克志豆本まんが『遥か米国』パロル舎が420円、寺山修司FL『時には母のない子のように』がなぜか105円と、この二つがお買い得だった。今週発売サンデーに書いた『マイ・バック・ページ』書評の礼状を川本三郎さんからいただいた。ほんと、丁寧な人なんだ。
午後、御茶ノ水から神保町。ひさしぶりに御茶ノ水駅前近くの中華「山田屋」へ入り、タンメンを注文したが、キャベツともやしがどっさりメンをおおいかくし、しゃきしゃきした野菜がおいしい、と言いたいところだが、野菜が多すぎて、メンにたどりつくまでにアゴも疲れ、飽きてしまう。途中で食べるのがイヤになった。食べる側のことを考えないタンメンと言えよう。餃子屋のタンメンもこのタイプ。おいしいタンメンになかなかありつけない。
東京堂黒岩比佐子さんの会。古書会館で昨年行われた講演会のDVDに、あらたに画像を入れ編集しなおした版を観る。その前に少し話を、ということで、15分厳守で話し始めたが、少し短かったようだ。手帖に原稿を用意していたが、立って喋ると思わなかったので、せっかく中島俊郎先生からいただいた記事のコピーを紹介し忘れた。甲南大学で英文学を教える中島先生は、黒岩さんとのつきあいはぼくなどより深く、電話のやりとりもあったようだ。最初に黒岩さんに会うとき、古書会館の即売会会場を指定したが、いつまでたっても黒岩さんが現れないので、一階へ上がるとそこにいた。そのとき、黒岩さんは古本屋へ行ったこともなければ、即売会なんて場所に足を踏み入れる気もまったくなかったようだ。古本菌を植え付けたのは中島先生だった。
今日の東京堂の会場はお客さんで満杯。なかには講演会を聴いた人もいるようで、それでもまた足を運ぶ熱心さに、黒岩さん熱を感じる。黒岩サポーターズの代表ともいうべき本多正一さんから、コピーの記事を二つもらう。どちらも、先日紹介した歌人、安土多架志に言及した中井英夫がらみの文章。著述家の吉村明彦さんは、安土と親しかったらしく、病床の安土を励まそうと、処女歌集『壮年』について、中井英夫に読んで手紙を書いてやってほしいと依頼。中井は「あまりいい歌はなかったけれども歌集をくり返し読み」、手紙を送った。しかし、そのときすでに安土はこの世になかった。
コミガレで藤子不二雄『二人で少年漫画ばかり描いていた』を見つけ、なんとかあと2冊と、ぐるぐる巡りながら、ジャズ批評のギタリスト大全集2と、江藤淳『去る人来る影』を買う。