キスしてもいいか

okatake2011-01-21

昨日書き忘れたのだが、いま東京堂「ふくろう店」の入口入って右奥、児童書コーナーで岩波少年文庫のフェアをやっていて、ここで同文庫を二冊買うと、写真の特製、宮崎駿選『岩波少年文庫の50冊』がもらえる。筑摩のAさんに教えられて、ぼくも買った。寺田寅彦『科学と科学者のはなし』とカニグズバーグ『800番への旅』。レジで畠中さんと少し言葉を交わす。各社文庫で同様の企画してほしいですね。
ゴヤの古本屋取材のとき、大学堂の店頭均一で買った、書肆季節社、安土多架志歌集『壮年』は、三冊1000円を埋めるための気まぐれな買い物だった。いま、開けてみると安土追悼記事の新聞の切抜きが入っていて、1984年に37歳で亡くなっていたと知る。いわゆる全共闘の闘士で挫折組。同志社神学部卒。山谷へ入って活動などもしていたようだ。古本屋の店頭でパラパラと何首か読んで感じるものがあったのだが、そういう人だったとは。検索したら『中島みゆきラクルアイランド』という中島みゆき論集にも一文を寄せている。
帯に引かれた歌
「キスしてもいいか氷雨の降り続く街は淋しい息絶えんほど」(原文は正字
書肆季節社らしい堅牢な造りの美しい処女歌集は、生前の安土の手にぎりぎりまにあって届けられたようだ。本というかたちの耐久性、生存率の高さに改めて驚く。ありがたい話だ。
21日はがらくた市を経てサンデーへ。五反田もあったが、前回のトラブルで痛めつけられ(じつはあれ以来、ずっと胃の調子がおかしい。強い酸が出て痛んだか)、少なくとも一年ぐらいは、ちょっと行けなくなってしまった。
帰りは「ギンレイ」で「ミレニアム3」一本だけ観て帰る。ほとんど休みなく、観客の頬にビンタを食らわすような映画で、一本観たら、併映を観る元気がなくなてしまう。主人公格の二人を含め、絶世の美男美女が出てこないというのも珍しい。行き帰りの電車では佐伯一麦『木の一族』を再読。