雲にのりたい

okatake2011-01-13

今年初のTBS。ポプラ社『百年文庫』を紹介。女性アナウンサーが担当するコーナーで、若い男性のあいだで、おしゃれな腹巻きが流行っていると言っていた。ぼくも腹巻き、欲しいんだ。
帰り、「ギンレイ」で一本、と思ったが、どうにも眠いので帰還。「ギンレイ」がどんどん遠ざかる。中央高速から富士山がきれいに大きく見えた。
季村敏夫さんから新著の詩集『ノミトビヒヨシマルの独白』書肆山田、を寄贈される。装幀は間村俊一さん。戦争に行った亡父のこと、息子である自分との関係のことを、ざっと見渡したところ、たくさん書いている。「葦原」全編を引く。
「夕暮れにうなだれる、父ありき。葦原にざわざわ沈み、とり乱す母。復員兵とその妻の背中を、金色に染まった雲がさする。日本の冬物語。岩手の宮古と大阪の大海邉とが一直線につながる。「いいんですよ。お父さん。つづけて下さい」、励ましはどこからもたらされるのか。空のたかみから、水の辺の茂みからか、愛したいのに、愛しかたがわらかなくなってしまったことに、悄然とする、父ありき、夕暮れに浮かぶ背姿があった」
今日は黛ジュン「雲にのりたい」を。吉行淳之介の対談集で、村松友視が北海道まで黛ジュンのディナーショーを聞きにでかけた話をしていた。タクシーの運ちゃんも知らないようなホテルで、いざ行ってみたが、満席で入れないと言う。しかたなく、四階に部屋を取り、トイレに入ったら、配管に耳をあてると、かすかにディナーショーの音が聞こえてくる。かくして村松は、トイレに籠って配管に耳を当て、4曲ぐらい黛ジュンを聞いた。