本、本、本

okatake2010-12-13

ビッグイシュー」年末進行で、今月3本締め切りあり。ポール・オースター『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』新潮文庫を取り上げる。時期にあわせ、クリスマスの話ばかり紹介する。とうていプレゼントが用意できぬ貧しい一家に、クリスマスの朝、ツリーの下に家族みんなにプレゼントが。開けると、どれもが、何カ月か前から、各自が失った所持品ばかりだった。みんな大笑いする。弟の仕業で、この日のために、こっそり隠して、プレゼントとして用意したのだった。という話がいちばん好きだ。小川洋子さんもこの話について書いていた。
「潮」は年に一回、書評依頼あり。羽生善治『結果を出し続けるために』日本実業出版社について、これは編集部からの指定。こういうことでもなければ、読まないような本だ。
時事通信」は柳瀬尚紀『日本語ほど面白いものはない』新潮社。島根の山奥の小さな小学校で、著者が日本語の特別授業をした。そこから生まれた本。たいへん読み易い。ぼく、柳瀬さんの自宅(仕事場?)へ取材にうかがったことがあるな。本棚一段に奥から三列並べる収納法が印象に残っている。
あと、散発で締め切りがあるが、山は越えた感じか。青春18を使っての古本旅も計画中だが、うまく実現できるかどうか。
ハマダくんから、『徳川夢声のくらがり二十年』に続き、増補完全版『徳川夢声のあかるみ十五年』(ともに清流出版)を送ってもらう。数ある夢声自伝のなかで、映画にかかわる部分の集成。おもしろい。夢声の映画初出演は声だけの、昭和六年「不如帰」(「浪子」だったかもしれない、と断り書き)。淀橋西落合「オリエンタル写真工業会社」跡の空き地に建った、足場用の材木を荒縄で組んだ掘建て小屋が撮影スタジオだった。十秒の演説の録音に、朝六時から深夜十二時までかかった、と驚いている。帝劇での試写会で、初めて自分のトーキーの声を聞いて「化け物の声」だと、異様な印象を持ったなどなど。
港の人からは、飯沢耕太郎編『きのこ文学名作選』。朔太郎からいしいしんじまで、日本の「きのこ」文学を集めたアンソロジーだが、凝りに凝った造本、装幀、デザイン設計にびっくり。作品ごとに本文用紙、組版や文字を変え、カバーはボコボコ穴が空いている。長谷川龍生の詩「キノコのアイディア」ときたら、銀色の紙に灰色文字なので、うまく光にあてて光らせないと読めない。こういうことをするのは、ああ、やっぱり祖父江慎だ。
思いがけない人からメールあり。びっくりした。そしてうれしかった。20年ぶりくらいか。これはネットの強みで、しかもブログを続けていたから、のこと。しょげることもあるが、続けてきてよかった。
「オカトーーーク!」の「きみたちは何のくくりですか?」「ぼくたちブックオフ芸人です」企画が静かに進行中。実現めざし、がんばります。ぼくがいちばん、楽しみなんだ。サバンナ高橋役を誰にふるか、だ。千秋役も必要だ。「シールはがし」だけで20分は持つよ。ぼくも自虐ネタを持っている。これは笑いがとれるはず。うふふ。