さよなら、黒岩さん

okatake2010-11-17

昼過ぎ、工作舎・石原くんから電話。次のことばに絶句。「黒岩さん、ダメだったんです」。その次にぼくが自分で何と言ったか覚えていない。ホスピスに転院し、光がたくさん入る病室に移ったばかり、だったのに。光速で消えていった。
電話を切ってから、嗚咽して涙がこぼれた。ひどい話である。悪いこと、なんにもしていないのに、なんてひどいことをするのだろう、かわいそうに。黒岩さんとは、即売会会場でよく遭遇し、コトバを交わし、何度かお茶に誘った。浮き草のライター稼業のつらさ、難しさを話すことが多かった。勝手にぼくは、同志だと思っていた。古本の大事なガールフレンドだった。今年、古書会館での『古書の森 逍遥』発売イベントの進行に、ぼくが指名されたのも、そういうことだと解釈していた。
http://blog.livedoor.jp/hisako9618/
ブログで発表されたので、ここにこうして、黒岩さんのことを何とか書いておこうとしているが、思いは多く、言葉は少ない。思うだけで涙が出てくる。覚悟はしていただろうが、それでも悔しかったろうなあ、とそれだけだ。ぼくには思い出として、いま、黒岩さんの笑顔しか浮かばない。闘病の話も聞いたが、そのときも微笑んでいた。つらいことだから微笑んで喋ったのだろう。
さよなら、黒岩さん。