台風が

okatake2010-10-31

昨日は台風が近づいてきていたが、早起きして準備。JPIC主催による読書アドバーザー講座で、例によって「古本と読書」について80分喋る。場所は、駿河台下から少し上がった明大の紫紺会館。80名くらいは聴講生がいたか、毎回熱心な聞き手で気持ちよく喋る。後半、持参した古本ネタで笑いを取る。このところ、いつもそうだが、「彷書月刊」にポラン書房さんの娘さんが書いた文章(名文です)を朗読して締める。終わってから、会場に準備された自著3種が飛ぶように売れて、サインしまくる。30冊以上サインしたのではないか。こんなに売れるなら、ほんと、毎日やりたい。
すぐ近くだから古本祭りにあわせた即売会を覗いて、あきつから数冊。「国文学」バックナンバー「小田嶽夫上林暁木山捷平」(1999)は飛びついて買った。帰り、高円寺の「古本博覧会」へも顔を出す。中央の本棚を取り払って、非常に見やすい。メンバーも若手中心のやる気じゅうぶんな顔ぶれで、それが本棚に反映されているため、巡るのが楽しい。ここで6、7冊買ったか。「ブラタモリ」の影響で「東京人」の上野特集など二冊。帳場でそう言うと、盛林堂さんが「ぼくも「ブラタモリ」大ファン」と飛び出してきた。写真は、常田さんが出品していた陶器の人形。サルとウサギ。干支にあわせて作られたものらしい。一目で気に入って二体とも買う。各200円。こけしも買いそうになった。
夜はこのところ「ゲオ」で借りまくっているDVDを。「北の国から」は、ついに川からの水道が流れ出した。雪子おばさん(竹下景子)は、東京へ帰ったままです。大晦日に戻ってきたところで4巻は終り。しかし倉本聰、マジな恋愛を描くのは下手ですねえ。滑稽な恋愛はうまいが。竹下景子が下北沢で着てはもらえぬセーターならぬマフラーを、そっと置いて、ものかげから見るシーンは見ていられませんでした、陳腐で。
本の雑誌社に新風を吹き込んでいる宮里くんが作った、辰巳ヨシヒロ自伝『劇画暮らし』が届きました。大阪で天才まんが少年と騒がれ、ついに神様・手塚治虫と対面するあたりまで読みました。こういう漫画の青春記を描く話、ぼくにはいちばん面白いですね。劇画工房の章では国分寺も出てくるし。しかし辰巳さん、これだけの分量、書き下ろしでよく書いたな。
『劇画暮らし』その後、半分くらいまで読みました。装幀は我らが真田くんだ。ばんざーい。桜井昌一って、そうか辰巳の実兄か。中野晴行さんが聞いたら怒りそうなほど、無知なぼくです。松本正彦さいとうたかを、辰巳が同じアパートで合宿生活をしていたなど、もう一つの「トキワ荘」物語でワクワクする。「ゲオ」で市川準トキワ荘の青春』を借り出して、見なおしたぐらいです。「トキワ荘の青春」、中野翠さんは批判していましたが、やっぱりいいですねえ。公開当時、市川監督にインタビューするので1996年に試写を見たのですが、そのときは、でてくる役者たち、知らない人ばかりだったが、いま見ると、豪華じゃないか。
映画のなかで印象的な坂と鉄道の地下道の見えるシーンがあるが、あれは、茗荷谷駅前から春日通りを後楽園駅方向へ歩き、小石川4の交差点から丸の内線側へ下りた「庚申坂」のようです。今度、行ってみよう。