満月 ですな

okatake2010-09-22

TBS放送原稿を送付。
今日は、お陽さんがカーッと照りつけ、真夏に戻ったよう。国立周辺、本屋巡り。「ビッグイシュー」で長嶋有『夕子ちゃんの近道』講談社文庫を取り上げることにし、メモを取りながら再読。文庫版の栞がいかしている。しかし、ほとんど忘れてるなあ。著者の父親・長嶋康郎さんが経営する国分寺の古道具屋「ニコニコ堂」をモデルに、店に出入りする、ちょっと変わった人々を、たんたんとたんねんに描く。「ニコニコ堂」は数年前、道を挟んで、向かいに移転したが、前の店の後ろに、たしかに竹やぶがあり、いまは並びになったが、バイク屋と肉屋もある。小説に出て来る景色がほぼその通りにあるのだ。
小説では「フラココ屋」で、夕子ちゃんがインシタンスコースー(彼女はインスタントコーヒーをこう呼ぶ)をごちそうになる場面があるが、ぼくも康郎さんに、コースーをごちそうになったことがある。
国立からの帰り、自転車でこれまで通ったことのない道をくねくね走り(夕子ちゃんの近道の影響)、近道ならぬ遠道で「ニコニコ堂」の前を通って帰宅。「小説とおんなじ」と心のなかでつぶやく。