個性とは心の癖らしい

okatake2010-09-17

サンデー毎日の帰り、「ギンレイ」で「シャーロック・ホームズ」をおもしろく観てきました。身なりが汚く、好戦的なホームズというのがおもしろい。続編も準備中とか。どんな映画かは以下参照。
http://wwws.warnerbros.co.jp/sherlock/
19世紀末のロンドンの描写がすばらしい。この10年程あとに我らが漱石が留学し、暗い顔でほっつき歩く、その町だ。
「和洋会」では買わず、タテキン、コミガレで少し買いました。電車のなかでは、途中になったまま放り出していた三浦雅士漱石 母に愛されなかった子』岩波新書を読む。ほとんど原テキストを読込むだけで、テーマをあぶりだす手法。「分かっちゃいるけどやめられないと言うが、癖というものはそういうものです。一般に個性と言われているのはこの心の癖のことだ」と三浦は言う。漱石の「心の癖」は、「自分は母に愛されていなかった」と思いこんでいることだ。『出生の秘密』は大長編評論で挫折したが、こっちは読みやすい。『こころ』を読みなおそうかと思う。しかし三浦はなぜか「心』と表記している。なんだか違う作品みたいに見えるのですね。
どうも漱石自装の『こころ』初版本が、函の背が「心」、本体の背が「こころ」、表紙にも「心」とあることから、「心」と漢字表記したようですね。