「バラキ」から「モンド」へ

okatake2010-09-08

さっき、ようやくTBS放送原稿送付。放送は明日の朝、だというのに。まったくなあ。出久根達郎さんの『新懐旧国語辞典』。
遅い朝、遅い朝食をBS再放送「列島縦断 鉄道乗りつくしの旅」を見ながら。関口知宏は、旅行中、笛は吹く、ギターは弾く、ピアノを弾く、英語は喋る、絵は描く(かなりの腕前)と、イヤミのない加山雄三みたいなスーパーマンぶりを発揮しているが、今日は眺めのいい高台の個人宅でピアノを弾いていた。それがいい曲で、映画「バラキ」のテーマらしい。凄惨なマフィア映画に、こんなウツクしい曲が。調べると、音楽はリズ・オルトラーニ。「世界残酷物語」のテーマ「More」はスタンダードとして、数々の歌手によりカバーされている。椎名林檎も歌ってたな。おお「ブラザーサン・アンド・シスタームーン」もそうか。あれもきれいな曲だった。そして、「世界残酷物語」がかなりのきわもの映画であることから、原題にある「MONDO CANE」(直訳:犬の世界)にちなみ、きわものドキュメンタリーを「モンド映画」と呼ぶことを知った。あれ、「モンド・ミュージック」というのも関係あり? これが関係あったのだ。なんとなく、ラウンジでかかるようなB級の曲、というイメージがあったが、渋谷系のミュージシャンが過去の映画音楽、インスト、ムード音楽を(中古レコード屋などで)掘り出して、再評価するみたいなことらしい。違いますか。バート・バカラックの再評価も、この流れかしらん。
しかし「バラキ」のサントラ盤は、こうなると欲しくなってきました。
付け加えておくと、東京出身の関口がときどき関西弁をつかうのは、母親の西田佐知子が大阪出身で、どうも日常的に大阪弁を使っている影響らしい。西田佐知子の大阪弁、聞いてみたいですね。
あと、ひさしぶりに鶴見線に乗りたくなってきた。
あの、西田佐知子が大阪の帝国女子高の出身だと知りました。われらが守口高校のすぐ近く。われわれが高校生のころ、帝国女子と言えば、スケ番の巣窟で、恐れられていた。西田佐知子さまのころは、そんなことはなかったと信じていますが。

高平哲郎『今夜は最高な日々』書評も、なんとか送付。しかし、これは少ない枚数ではちょっと追い切れない。中身が多岐にわたり、詰まっているからだ。
「CABIN 12」予定より半年遅れで、ようやく届く。発行人の中尾務さんが、体調を崩されたせい。しかし、これは読むところのじつに多い雑誌。田村治芳「がんがらがんのがん」は、がん告知から闘病にいたる日々をユーモラスに叙述、ほか山田稔「生島さんに教わったこと」、高木護の川崎彰彦追悼、蟲文庫田中美穂が「尾崎一雄と苔の道」、扉野良人天文学和尚・木辺成麿との、古書を通じての不思議な邂逅を、小沼丹の小特集もあり、とにかくあれよあれよと、ページをめくっていくことになる。これだけの目次が作れるということは、中尾さん、ただ者ではない。あ、言い添えておくと、ぼくは漱石「門」について「淋しい東京」というタイトルで書いています。書いたのは去年の暮れかな。ほとんど何を書いたか忘れていました。原稿料が出ないので、もらった「CAVIN」は「みちくさ」で売らせてもらいます。