バスガイド芸

リコシェが「彷書月刊」休刊にあわせたフェアをやってくれます。あ、もう始まってます。
http://d.hatena.ne.jp/ricochet_naminori/20100904/p1

高平哲郎『今夜は最高な日々』は、本当に80年代、異業種入り乱れての「最高な日々」が描かれているが、中村誠一の才能に圧倒される。「バスガイド芸」というのがあって、仲間でバスを借り切って、そこで中村、坂田明がバスガイドふうに、車窓の風景を、適当にアドリブでガイドする。
街を歩いている人を見て「技巧のないセックスに明け暮れる農業従事者の夫婦でございます」なんて言う。なんでもない家屋を見て「かつて忌まわしい売春が行われていた場所として語り継がれております」。読むだけでゲラゲラだ。
そこで思い出したのが、大学時代、ずっと某スーパーでアルバイトしていて、社員旅行にまでくっついていったのだが、貸し切りのバスでの帰り、琵琶湖畔の著名な歓楽トルコ街「雄琴」を通りすぎたとき、事務をしていたNさんが突如マイクを握り、「○○という店の××ちゃんは、ちょっと誰それ似のおっぱいの大きな子で」と、延々、雄琴ガイドをした。これは抱腹絶倒だった。ことわっておくが、女子社員も大勢いて、それでもみんな笑ってたから、これはNさんのガイドがちゃんと芸になっていた、ということだ。あれ、もう一度、聞きたいなあ。