西荻ブックマーク

okatake2010-08-31

9月26日、西荻ブックマークで秋の古本の話題を語ります。
彷書月刊休刊からなずな屋開店、そして『昔日の客』復刊まで。
彷書月刊編集長・田村さん、石神井書林・内堀さん、そしてぼくという組み合わせ。
mailmag@mag2.comに詳細があります。ぜひおこしください。
10月10日も再登板の予定です。広瀬くんに頼まれると断れないや。

ビッグイシュー」は、文庫なら新旧、何をとりあげてもいいという、寛大で、珍しい連載で楽しみながら書いているが、文庫えらびがなかなか難しい。下手すると新潮文庫に偏りがちになる。それと、気がついたら品切れというケースがやっぱり多いんですね。近くでは、松本隆『風のくわるてつと』角川文庫が、すでに品切れ。巻末の鈴木慶一との対談がおもしろくて、惜しい話だ。浅井慎平『原宿セントラルアパート』幻冬舎文庫がやっぱり品切れだった。瀬戸川猛資『夜明けの睡魔』創元ライブラリはまだ流通していて、ただ、早川書房の単行本もまだ生きてるんだが、文庫と値段が200円ぐらいしか違わない。

山本善行の新刊、古本コラム集『古本のことしか頭になかった』(大散歩通信社)定価1000円が届いた。なるほどペーパバック仕様でいい感じ。題字は、最初、いろんな人に頼んでそれを組み合わせるということだったんで、3種類、さっさと書いてファクスで送ったのだが、まさかぼくのだけが、こんなに大きく使われると思っていなかった。子子子子子さんの消しゴムハンコで彫って、それを捺したというんだが、手がこんでいる。古本少し新刊のものぐるおしい日々を綴ったものだが、しかし、よく「Lマガ」が、こういうマニアックなコラムを掲載したなあ、とかえって驚く。山本の古本道場の同じ場所にいたことも多く、記憶の確認ともなる一冊である。ほんとうに、好きなんだなあ、古本が。しかも目線が高い。そしてそれをたこつぼに入らず、うまく読みやすく、読者の読書欲を喚起する術に長けている。名人芸と呼んでよい個所もあった。黒猫堂・高橋さんの追悼の文章の補足で、「高橋さん、私も古本屋はじめましたよ、っていいたかった」というところで、息がつまった。そうか、高橋さん、善行が古本屋を始めたこと知らずに逝ってしまったんだなあ。

今日で伊勢崎の「いいだや」さんが閉店、というので、行きたかったが、往復5000円近く交通費がかかる。これが、痛い。青春18を買っていれば、とつくづく思った。だから、古ツアさんは本当にえらい。あっというまに東奔西走、瞬間移動できるみたいに、思いがけない場所に降り立ち、古本屋を襲っている。一年で300軒以上回ってるでしょう。ほんと、すごいと思うんだよね。