善行堂がついに電脳化

okatake2010-07-05

あの「古書善行堂」が、とうとうネットショップを開設しました。ぼくもそうですが、善行もまったくのパソコン音痴でしたが、アクセスすると、すっきりといい感じ。よく、ここまでやりとげたなあ、と初期の悪戦苦闘を考えると、感慨深いものがあります。みなさん、覗いてやってください。あ、プレオープン一周年おめでとう。一カ月後に、またオープン一周年があるんだな。
http://zenkohdo.shop-pro.jp/
いま、再度見たら、すでに「売り切れ」がバンバン出ています。みんなで善行をうれしがらせちゃって。

写真は、某古書にはさまっていたチケットの半券。かつて早稲田・銀座・渋谷にあったという映画館の「全線座」でしょうか。紙質の悪さと、右から書くスタイルから、どうも戦前から戦中にかけてのものらしい。

今週「サンデー毎日」読書ページに『みんなの大衆めし』著者インタビューが掲載されています。瀬尾、遠藤両氏の写真もぼくが撮ったのですが、なんと、シャッターは一回切っただけ。一発オーケーでした。「週刊現代」には、川本三郎『いまも、君を想う』書評が掲載されているはず。それとも来週号か。
月の輪書林古書目録 十六 太宰治伝』は、あんまりすごいので、しばらくうなって読んでましたが、古書目録であることを思い出し、ようやく二点、注文書に書く。「スムース 洲之内徹特集号」に3150円ついていたので、びっくりする。
先日の黒岩さんトークを、書肆紅屋さんがレポートしてくれていることはすでに報告したが、「とみきち」さんが同様に採録してくださっているようです。ありがとうございます。
http://yomuyomu.tea-nifty.com/dokushononiwa/

しかし、こうして見ると、ぼくはなんだかバカなことばっかり言って、黒岩さんを困らせているようだ。まじめな黒岩ファンからすれば、「あのヒゲメガネ、ふざけたことばっかり言って、不真面目なバカだね」と呆れられたのではないか、とふと思う。しかし、ああいうふうにしかぼくは進行できないんです。ごめんなさい。

北海道新聞から、井上ひさし『一週間』の書評依頼。ちょうど、読みたかったところの本だ。喜んで引き受ける。こうして、一つひとつ、仕事の依頼があって、目の前にガス灯が点灯していく。ありがたい、と思って、歩を進める。
リュック・ベンソン『アンジェラ』が、ぼくはおもしろかった。90分がちょうどいい小品の大人のよくできたおとぎ話。「アメリ」で印象的なダメ男のジャメル・ドゥブースが、ここでも借金まみれのどつぼの、醜男の小男を演じる。いつも右手をコートに突っ込んでいる。いよいよ切羽詰まって、アレクサンドル三世橋から身を投げようとすると、同時に身投げしようとして実行したブロンド長身の超美人、リー・ラスムッセンを助けてしまう。じつは彼女、天から使わされた守護天使で、不思議な力を駆使して、哀れな小男の窮地を救う。つまり「素晴らしき哉人生」の換骨奪胎だ。「素晴らしき哉」では、天使のほうが小男の風采のあがらぬ男だったが。男女を入れ替えれば、大島弓子のマンガみたい、とも言える。こういう小説を書いてみたいものだ。