京都一箱古本市

okatake2010-06-16

デジカメを自分でカメラ屋でプリントを頼めるようになって、すぐ京都編を焼いてきた。写真は、貸し切りの叡電を使った「一箱古本市」のぼくの店。窓にも本を並べた。網棚に荷物を乗せて、使い勝手がいい。「電車が動き出すと、本をじっと見てたら気持ちが悪くなるから買うなら今」とか、「買うまで電車から出しませんから」とか、いろんなことを言いながら売った。古本おみくじも作っていった。魚雷くんも書いていたが、けっこう1000円前後の本が売れたな。
出町柳駅でしばらく止まっていて、売り始めたのだけど、いきなり電車が動き出して、がくんと身体が動いて、マドに並べた本がバラバラ落ちてきた。みんな客は吊革につかまって、と電車風景に古本がからんで、なんとも不思議な感じだ。外は雨。しかし、緑が濡れて美しい。サガンを探しているという若い女の子がいて、「『一年ののち』でしょう。「ジョゼ」を見たんだな。あれはね、単行本はなかなかないの。新潮文庫も品切れだけど、まだこっちの方が探せばあるよ」と教える。「みちくさ」にも来てくれた男性は岐阜の人で、京都にも来てくれた。あちこち、参じてくれるのだから、うれしい。ナゴヤの一箱に来た女の子も、わざわざ来てくれたり、常連とも言うべき顔見知りがあちこちに。片岸さんには、ちょっとのあいだ、店番を頼んで、終点の駅のホームをぶらつく。出張でパンとコーヒー、チャイを売っていたが、大盛況。山本と「パンの方が売れるんちゃうか」「今度、出町柳へ戻ったら、パンを仕入れて売るか」とか会話する。そこで生まれた格言。
「パンはペンよりも強し」
山田稔さんが『夕暮の緑の光』を買ってくださり、気に入っていただけたと洩れ聞いた。百万の味方を得た気分だ。自分の本もがんばらないと。
京都の「ブ」巡りから、フェリシモの小型絵本「おはなしのたからばこ」チェックが始まった。これ、いいの。和田誠宇野亜喜良荒井良二沢野ひとし等々、一流の画家を取り揃え、けっこうな册数が出ている。京都の「一箱」でも何冊か売った。
新潮新書柴田光滋さんの『編集者の仕事 本の魂は細部に宿る』が届いた。柴田さんは善行の『関西赤貧古本道』を作った編集者。紙の本造りの神髄を語る。活字の話、装幀の話、校正の話など、実践的編集術を含めた、本好きのための本の話。吉田健一晩年十年にけっこう新潮社から本が出たが、これも柴田さん。平野謙全集もそうか。ぼくとしては芥川比呂志『肩の凝らないせりふ』とか、忘れがたい新潮社の本だ。

西荻にわとり文庫」さんが、5周年記念でセールとにわとりクッキープレゼントをやっていますよ。あらら、300円均一に「暮しの手帖」を始め、フロク漫画などいい感じのものが。
http://niwatorib.exblog.jp/