野呂撮影、大屋書房?

okatake2010-06-09

納所家から譲りうけた、野呂邦暢の遺品「野呂撮影の古本屋写真」80枚ぐらいのうちの一枚。
これは1976年3月から4月にかけて上京した折りのもの。神保町、早稲田、中央線を巡っている。ここにあるのは、大屋書房さんじゃないか。ショーウィンドウが特徴的。傘を持った女性の後ろ姿が写りこんでいる。偶然だろうが、ちょっと野呂の作品みたい。
ぼくにはよくわかるのだが、諫早から一年に一度くらい、上京する野呂にとって、東京は古本パラダイスで、上気しながら今日はあそこ、明日はここと巡ったにちがいない。そして、撮った写真をプリントして、諫早へ帰ってからも幾度となく取り出しては、古本屋のあまりない町に暮らす無聊をなぐさめたのだろう。
『夕暮の緑の光』は、担当の宮脇さんの熱意で、どうやら増刷されそうです。
今日、週刊ブックレビューのメインでぼくが紹介する松山巌さん「ちょっと怠けるヒント』、数日前から探しているのだが見つからない。もうタイムリミット。しかたなく買いに行く。国立の2店にはなくて、立川オリオン書房まで。ここにはあった。二冊持っていて(一冊は贈呈された)、一冊は音羽館へ売ったはずだから、必ずあと一冊あるはずだったのだが。まあ、そういうことです。オリオン書房には、文芸書の目玉陳列棚に、面陳で『夕暮の緑の光』があった。このグリーン、鮮やかな初夏の色でよく目立ちますね。レギュラーの棚に、ぼくの本も2、3冊並べてくれていた。心亡びる日々に、少し慰められました。

黒岩比佐子さんの新刊にあわせ、大応援団によるブックフェアーが続々と催されます。今月26日、ぼくが御相手をつとめるトークには、なんとかご本人が登場されるとのこと。みなさん、駆けつけて、念を送ってください。
http://blog.livedoor.jp/hisako9618/

ただいま、週刊ブックレビューの録りから戻りました。放送日は、BS2が6月12日(土)の午前8時半から、BShiが13日の午前10時からです。再放送もあります。よかったら見てやってください。と、メールを確認すると、7月の同番組で、堀江敏幸さんが『夕暮の緑の光』を取り上げてくれるそうです。野呂さん、よかったなあ。