「みちくさ市」終了

okatake2010-05-16

みちくさ市」第6回、無事終了。天気がよかったので何より。千駄木での「一箱」とは、微妙に客層が違う。そのあたりもおもしろい。午後、低調になって、これはだいぶ売り上げ悪いぞ、と思いましたが、3万数千円売りました。まずまず、というところ。事前に二箱、宅急便で本を本部に送り、当日、トートバックに満杯、本を運んだが、残ったのは一箱と、トートバックに半分くらい。残った一箱は「善行堂」へ送りました。
たくさん、お客さんも来てくださって、楽しかった。ハニカミ高校生も一冊買ってくれて、もちろん学割でおまけしたけど、今回初めて、向うから声をかけてくれた。小さな声でこういったのだ。「『夕暮の緑に光』読んでます」。おどろいた。野呂邦暢を読んでいるというのだ。
その『夕暮の緑の光』の書評を、池内紀さんが今朝の「毎日」の読書欄で書いてくださったそうです。魚雷くんに教えてもらった。
昼、コウノに店番してもらって、近くの中華に昼食(いつもタンメン)に入ったら、ナンダロウくんがいて、少し話す。光文社新書の書き下ろし構想を話すと、いくつかヒントをくれた。ありがたし。
ようやく涼しくなり始めたころ、タイムリミットとなり後片付けして、ホウジョーくん、ツジモトくんと「さむしんぐ」でお茶。塩山さんが少し遅れて加わり、塩山毒舌独演会が始まり、笑い転げる。神保町の立ち食いソバの各店寸評がばつぐんにおもしろい。「小諸そば」が駿河台下とすずらん通りとでは味が違うというのが、ぼくにはどうもよくわからない。「いや、違いますよ」と塩山さんは言うのだが。
打ち上げはパスして、早々と帰宅。往復の電車では、二葉亭四迷浮雲』を読む。元祖、草食系男子のリストラ、振られ話だ。けっして読みやすくはないが、詳細な巻末注を参照しながら読むと、明治の東京と風景と人物が起ちあがってくる。並行して同じ岩波文庫の『近代日本文学のすすめ』も読み進める。

写真は、先日「ささま」315円均一棚で買った岡本かの子『老妓抄』。紙の本の存在感のある、いい感じの造本設計。扉に、TAKAHASHI LIBLEという文字を丸くデザイン化したハンコが押してあり、後ろ見返しに「草書房」というシール(高円寺駅前)が貼ってあった。いい痕跡だ。