佐藤慶朗読「夢十夜」、映画「ミレニアム」

okatake2010-05-15

黒岩比佐子さんの新刊『古書の森 逍遥』は工作舎から六月に出ます。
http://www.kousakusha.co.jp/NEWS/weekly20100511.html
ぼくは、神田や五反田での即売会で、しばしば黒岩さんがスタイルのいいパンツ姿で、古い雑誌を抱えている姿を見かけました。ぼくも含め、むさくるしい中年、後期高齢者の佃煮みたいななかで、黒岩さんの姿はひときわ目立ったのであります。見つけたら声をかけて、同病相哀れむという表情で、二、三言ことばを交わす。ときに「カフェ・ヒナタ」でお茶をしたり。この歳になって、気の合うガールフレンドがいるというのは(と、こっちで勝手に思っているだけだが)、なかなかいい気分のものであります。
昨日は黒岩さんの姿が見えない「五反田」。ほとんどが200円、前田武彦『毒舌教室』カッパ、石森章太郎『まんが研究会』小学館、世界恐怖小説全集『列車〇八一」(青柳瑞穂・澁澤龍彦訳!)、ほるぷ復刻の竹久夢二『夜の露䑓』などなど。ごっそり買う。昭和十五年誠文堂新光社の藤原安治郎『楽しい数学教室』は、ラインマーカーがたくさん引いてあって、普通はペケだが、その引き方がなんとも美しく、挿絵(岸丈夫)が素晴らしいこともあって買う。500円がついていたが、みすず書房が1959年に出したカレンダーが150ページ以上ある『二十世紀のプロフィール』というタイトルで、20世紀を作った文化人、学者、政治家、芸能人などを肖像写真とともに解説する。なんともおつゆたっぷりの粋なカレンダーであります。朗読CDがたくさん出ていて、佐藤慶朗読の漱石夢十夜』があったので買う。これも500円。さっそく聞いたのですが、これはやっぱりいいですね。
電車のなかでは新刊、小林信彦の『森繁さんの長い影』を読む。
北條くん、アホアホ中嶋くんと、福田和也一押しのハンバーガーショップでお茶しながら雑談。神保町へ向う二人と別れて「サンデー毎日」でひと仕事。ジェレミー・マーサー『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』河出書房新社の書評を引き受ける。『レンブラントの帽子』は編集部に届いたが、担当者が「これ、短編を集めた、しかも復刊なのね」と、書評依頼を渋るようなことを言うので、「いや、こういうものこそ、ぜったい書評で取り上げるべきです。紙の本の逆襲なんですよ」とプッシュしておく。
早く仕事が済んだので、一カ月ぶりに「ギンレイ」へ。20分ほどでサササと「ブ」を覗き、まずスウェーデン映画の「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」を見る。最初の30分ほど、うつらうつら寝てしまい、目覚めたらもう物語は進んでいて、ついていくのに苦労した。ピアス、タトゥーを入れたパンクっぽい女性がレイプされるなど、グロテスクなシーンがあり、これはどうなるものかと、濁った頭をぶらさげて見ていたら、あれよあれよと後半引き込まれていった。最後の後味もいい。パソコンがもう一人の探偵役、というのがいかにも現代らしい。原作はベストセラーになった由。長い長いエンドタイトルが終わったら、いきなり続編の予告が流れた。
次の「ウイニングチケット」はハンガリー映画。コミカルでシリアスという、ぼく好みの映画だったが、どうにも疲れで集中できず、30分ほどで席を立つ。こんなことも初めてだ。
明日、「みちくさ市」です。お忘れなく。
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