無題

okatake2010-05-12

京都市内(荒神口)に、女性によるブック&ギャラリーが開店する、と聞きました。6月11日オープン。
京都へ帰ったとき、時間があったら寄ってみようと思います。
http://www.hedgehog-books.com/notebook

同じく六月オープン予定の古本屋が東京・日暮里「夕やけだんだん」上の「信天翁(あほうどり)」。古書「ほうろう」を経営していた夫婦2組のうちの1組が独立して開店。これも行かなきゃな。詳細が待たれる。

そのほか受贈書やさまざまな告知、まったくできていません。すいません。ちょっと気持ちに余裕がなく、いかんと思っています。

谷川書店で何か買おうと、昭和11年改造社室生犀星随筆集『薔薇の羮』を1000円で買う。谷川ではご店主から、いつも心理的動揺をウケるようなコトバをいたただき、今日は「うちは買えるものないでしょ」と。ぼくはいつも「いえいえ、そんなことは」と答えるしかない。で、買う。これはいい本。ウェッジ文庫が刊行を続けていれば入れそうな。函の状態はかなり悪いが、本体はだいじょうぶ。「ブ」でも少し買い、天気がいいから、大学通を国立高校の先まで行って、逆コースを帰ってくる散歩。日ざしはあるがまだ強くなくて、風も少しあるが気持ちいい。一年でいちばんいい時期の一つ。
さっき「ブ」で買った、筑摩現代文学大系の『月報合本』を読んでいたら、川本さんが井上ひさしの巻に文章を寄せていて、これがおもしろい。「朝日ジャーナル」時代の編集者としてのつきあいを書いている。例の事件で、逮捕され、川本さんが留置所へ一カ月も放り込まれ、朝日をクビになる。一カ月ぶりに帰宅したら、お母さんが言うには、井上ひさしさんが心配して、何度も激励の電話をくれたという。朝日の切れ目が縁の切れ目で、どんどん人が周囲から離れていくなか、川本さんを励ますできごとだった。
誰かも書いていたが、編集者が出版社を辞めたとき、学者は見向きもしなくなるが、作家はその後もなにかとつきあいが続くという。人生における苦労の度合いが違うから。
工作舎の石原くんから電話。工作舎から出る黒岩さんの本にあわせて、古書会館でのイベントを含む「黒岩比佐子さんを応援するプレジェクト」が起ちあがる。お手伝い出来ることあったら、なんでもさせてもらうつもり。かつて、若き日の黒岩さんと同じ現場で働いてという、本多正一さんが強力に動いている。フリーの物書きは、みな、太平洋ひとりぼっちでオールを濃いで波間に漂っているようなもので、心細いこと限り無しだが、こうして集結して応援しようという人たちがいる。紐の切れたパンツを押さえて走っているようなぼくだが、お役にたちたい。