パッとさいでりあ

okatake2010-05-10

いま、ようやく「あった、あった。」今週分を入稿。小峰元『アルキメデスは手を汚さない』を取り上げた。73年刊が翌年には文庫に。山口果林が女教師で主演してドラマにもなった。生徒役で沖雅也が出ていた気がしたが、調べたら、高岡健二、中島久之、青木英美、それに秋吉久美子。先日、打ち合わせで筑摩の青木くんと喋っていて、やっぱり秋吉久美子の話になり、そしたらカバンから、青木くんが秋吉久美子の直筆サイン入りのスチール写真を出したのには驚いた。
アルキメデス』は当時の高校生の多くが読んでいた。とくに、大阪の高校が舞台だったからねえ。ただ、原稿にも書いたが、セリフがすべて標準語だったのには、納得がいかなかった。
「そしたら、密室ちゃうか」とか「なんでや、ぼくは犯人とちゃうで」と書くと、緊迫感がなくなりますがね。
先日、本を探すため、本の山を切り崩していたら、野呂邦暢『草のつるぎ』初版帯、識語署名入りが見つかった。小平古本パラダイス(K社Iさん命名)で買ったものだ。値段は50円以下、だな。それを、白水社の宮脇さんにメールで報告したら、野呂さんの命日ですよ、と教えられた。そうだ、5月7日は野呂邦暢の命日だったんだ。朝日日曜版のみすず書房サンヤツ広告を切り抜く。
図書館で借りてきた「小林亜星CMソング・アンソロジー」を聞いているのですが、どれもいいなあ。あれも、これも、そうか小林亜星だったのか、という次第。「積水ハウス」「酒は大関、心意気」、「この木なんの木」「ファミリーマート」「ラオックス」等々。傑作はサントリースキャットによる「人間みな兄弟」でしょうね。後年、「恋は遠い日の花火ではない」でも使われた曲です。
開高・谷沢・向井の鼎談『書斎のポ・ト・フ』を読んでいて、開高は落語を聞いていないなと思える個所がありました。落語ファンなら誰でも知ってるもの。また、機会を見てどこかでお話しします。
「spin 07」いただきました。特集は「ブックイベントのたのしみ」。昨年末、海文堂で開かれたナンダロウくんの『一箱古本市の歩きかた』イベントのトークがていねいに、臨場感たっぷりに再録されていて読ませます。ちょちょぼっこの三人に、カロのイシカワさんを加え、女性4人を相手にハーレムの王のようなナンダロウくん。うらやましい。あ、そういう書き方はダメですね。「ちょうちょぼっこ」ガールズの低温な、緩い感じがいい。だからこそ、持ち出しでも続けてこれたのだろう。
今週火曜発売の「サンデー毎日」で2ページ、「書評で読む『1Q84』」を書いています。ひとのふんどしで相撲を取る見本のような記事ですが、お時間ありましたら。
連載が終わっても送り続けてくれている「中央公論」6月号の第3特集が「活字メディアが消える日」。これを読んでおけば、昨日掲載されたはずの「赤旗」の記事の書き方も多少変わったかもしれない。なんだか、どんどん、近くに汽車が通ると牛が乳を出さねえだ、と鉄道敷設を拒否する時代遅れの田舎者のような気分になってきた。
昼飯喰いがてら、ふらふら自転車で玉川上水沿いの道を西へ。ふらふらと昭島「ブ」まで。35分で着いた。樹木の陰に守られて、気持ちのいい道中だった。
あれこれ買いましたが、例えば、講談社文芸文庫を5冊とか。それにそれに、ついに、ちくま少年図書館の石田五郎『天文台日記』を見つけ、250円で買う。これで来た甲斐があった。ショッピングセンター内のファミレスで、うまくもまずくもない、これならカップヌードルのほうがうまい、というようなハンバーグランチを食べながら、『天文台日記』をこれまで何度か読んだが、また読む。また感心する。元本にはカラー写真、イラストなどの図版が多数入っているのがうれしい。