まいりました

okatake2010-05-07

いやあ、まいりました。野呂邦暢随筆選『夕暮の緑の光』を読んでくれた、知り合いの編集者から指摘を受けて、カーッと顔が赤くなりました。
野呂が早稲田の古本屋街のことを、町名で「戸塚」と書いているのを、「戸山」の間違いではないか、と知ったかぶりで解説に指摘しておいたのだが、野呂は正しかったのだ。
その編集者によると、
〈早稲田古本屋街のある一帯は、旧町名だと新宿区戸塚町で、1975年の住居表示実施により消滅しました。
私の学生時代にも、大学に通う学バスに「戸塚特別出張所」という停留所〉
があったとのことだ。
野呂さん、ごめんなさい。向井くんにでも、確かめればよかった。ほんと。
今日は昼前、中央線に乗ったら、例によってあれこれの理由で途中で止まり、ゆっくり見ようと思った「城北会」がざっとしか見られなかった。
昭和16年に出た『新興流行歌謡曲全集』、築地仁の写真に、関西の著名人諸氏が文章を書いた『都市の遠近 大阪・兵庫・奈良・京都』東方出版天野忠の詩集『その他大勢の通行人』を買う。
コミガレでも三冊。「サンデー毎日」で仕事をして、帰り「音羽館」に顔を出して帰ってくる。音羽館では井原高忠 恩田泰子/取材・構成『元祖テレビ屋ゲバゲバ哲学』ほか、文庫2冊を買う。
この数日の神経集中によるダメージ大きく、なんだかすっかり元気がない。電車のなかでもため息ばかりついていた。
「ビッグ・イシュー」用原稿の準備に、ル・クレジオ『海を見たことがなかった少年』を読み始める。最初の「モンド」がいきなり素晴らしい。解説は川本三郎さん。
そうそう、「サン毎」で川本さんに原稿を頼むとき、担当者からどういう本がいいか相談されるのだが、夏葉社のマラマッド『レンブラントの帽子』がぜったいいいですよ、と進言しておく。
前回のブローティガンもぼくが、これは川本さんにと言ったのだ。うまくいけばいいが。