一箱古本市だ!

okatake2010-05-03

変な時間に目覚め、それからしばらく眠れず、また二度寝。起きたら10時。こんなこと、このごろ続くのは、歳のせいか。頭が中央部からてっぺんにハゲになる夢もたびたび。これは「老い」の恐れならん。
昨日は千駄木ストリート「第10回 一箱古本市」へ家族で参加。両腕と背中にぎっしり本を詰めた荷物がぎしぎしと身体を痛める。先日、先輩「北方人」さんのブログで、「一箱古本市も引退、卒業か」とあるのに、カツを入れるコメントを寄せておいたが、ぼくこそ「引退」に追い込まれるかと思った。
今回は初めて「古書ほうろう」前に出店。場所取りを決めるジャンケンを娘に参加させたら一番に。29日に大森望さんが陣取って100冊を売ったという右側一店のみをゲット。途中、広島から来た財津くんと昼飯たべて、各エリアの審査をした一時間半ほどを除き、店に座りガンガン売る。黒岩さんも元気な姿を見せ、ちょっとコトバを交わしたり、マスコミにひっぱりだこの本棚コーディネーター幅さんの下で働く若者が来たり、それに、あの「古本屋ツアー・イン・ジャパン」さんとも対面できた! 「おおおっ」と思わず声が出る。そのほか、ちょっと書き切れないほど、たくさんの人と声を交わし、本を買ってもらった。家内の手作りブックカバー(800円)もよく売れて、それも含めて4万数千円の売り上げがあった。それでもベスト3には入らない。
片付けを終え、荷物を「ほうろう」に預けて、ちょっと「ブ」へ。風呂で上がり湯をするようなものか。新潮文庫谷内六郎展覧会』が5冊並んでいて、これを買ったら、福引きで500円券が当たる。また店内をうろつき、『宗像教授』を2冊、ちょっとお金を足して買う。銭湯セットを用意してきたので、打ち上げ会場へ向う途中、道灌山通りをちょっと入る「富来湯」へ行ったが日曜休み。しかたなく西日暮里駅前のたそがれた純喫茶で休憩。
打ち上げはなんと、中華を借り切って約100名が入り乱れるというすごいことに。そのあまりな光景に「元祖 一箱古本市」が作ってきた歴史を厚みを感じ、ちょっと感動。献身的に支えてきた助っ人、実行委員の黒子に徹した働きに感謝。その頂点にいるナンダロウくんがマイクを握って司会進行する姿は、迷える信徒を教え導く僧のように見えた。各賞と、売り上げと册数のベスト3の発表も盛り上がり(五つ葉文庫くんの大向こうからの雄たけび)、いやあ楽しい飲み会だった。これだな、この楽しさが「本」を巡るイベントの核となっているのだな。終宴近く、ぼくが理想の夫婦としていつもうっとり眺めている「とみきち」夫妻から、心が熱くなる励ましの言葉を受け、生きていてよかったと思う。帰りの荷物は重いが心は軽く、財布も売り上げで充実し、国立駅からはもちろんタクシーだ。
行き帰りの読書は堀江敏幸『もののはずみ』角川文庫(おや、堀江本に珍しく精興社の本文文字じゃない)を。
また、気が向いたら、一箱のことは書き足します。