「みちくさ市」終了

みちくさ市」無事終了。花屋さんの前の駐車場で、石原くん、ノンちゃんとぼくという同じ場所で同じトリオでの出店。事前に二箱送り、大きなトートバック一袋分を持参したのだが、往来座に預けてあった「外市」の残り(ということは、2年前の分か)が届いていて、三箱プラス一袋という大所帯になった。天気もよく、風もあまりなく、客寄せにはいいコンディション。着物姿の女性が目立ったなあ。ハニカミ高校生も来てくれた。安岡章太郎『私の昭和史』新潮文庫を200円にダンピングして押しつけるように買ってもらう。
そのほか、つきあいのある編集者の方々もたくさん来てくれた。みなアベックでしたな。午後、いっとき客の流れがぱたっと途切れ、三時ごろ少し盛り返し、けっきょく善行堂へ残り二箱を送った。一箱プラス一袋分売れたということか。3万数千円の売り上げ。まあまあ、か。「すむーす」が意外に売れず、くさっていると、「ここに来るような人はみんなすでに買ってもってるんですよ」と何人かに同じように慰められる。
若い女性で、とても外見はいまふうで、白いフレアのスカートをはいて、買ってくれそうにない感じのいい客があったが、隣りのくちびるごうでは澁澤を二冊、ぼくのところで、久生十蘭ジャック・ロンドン『白い牙』を買っていった。めちゃくちゃいい趣味。そう言うと、石原くんが「あのひと、前回も来てくれて、渋い本を買ったひとですよ」と言う。そういや、と思い出す。しかし、いい趣味しているなあ。日夏耿之介洲之内徹新潮文庫を買ってくれた男性もいて、このときも「いい趣味だなあ」と思わず言ってしまう。こっちをうれしがらせる買い物というのがありますね。そうそう、後藤明生の文庫が二冊、各800円で売れました。まだまだ後藤明生の古本人気は衰えないなあ。
昼飯は、隣りの石原くんとジュニアが、目の前のコンビ二でカップヌードルのビッグを買って食べていたのを見て、むしょうに同じものが食べたくなって、食べた。「のどが無性に乾きます」と石原くん。汁を飲むのを止す。しかし、いかにも身体に悪そうな、こういうインスタントものは、ときどき無性に食べたくなるのも事実だ。
午後、スタッフの北條くんに店番してもらって、ひとまわりする。値段を市場価格にあわせ、きちっとつけている店と、投げ売りに近い廉価で放出している店と二分され、どちらもそれなりに客をつかんで売れている。なんでもかんでも100円、200円にならないことは、お客さんもよく知っているということだ。何ヵ所かで、ぼくもちょこっと買う。いまだから言いますが、それに少し上乗せして、さっそく一冊だけ売りました。
4時前に片づけ始めたが、その手際のいいこと。あっというまに残りが二箱に収まり、善行堂行きの宅急便の伝票二枚を書き終え、片付けを終える。コウノが驚いていた。
今回もたくさんの人に買っていただき、たくさんの人とおしゃべりしました。お礼を申します。
次は5月2日、千駄木ストリートの元祖「一箱古本市」に出店します。
さすがに疲れて、初めて、新副都心線を使って新宿三丁目荻窪、中央線で帰ってきたのだが、これは移動の距離が長く、やっぱり目白まで歩いたほうがよかった。ぼくにとっては、新副都心線は使えない地下鉄だなあ。
時事通信社から書評用の『白川静読本』平凡社が届いていた。