山口組と飲む

okatake2010-01-30

今日はずっと野呂邦暢。古本、古本屋、読書話はなるべく拾おうと思ったが、それだけで一冊になってしまう。いやあ、困りました。文章のいいものも優先したいし。それでも第一次粗選りが終わる。
午後、仮眠。このくせがなかなか治らない。岡本喜八「江分利満氏」をCSで三度目かな、見たがやっぱりこれは傑作。ただ、直木賞受賞以後がちょっともたつく。いんちき薬を大道芸で売る役に砂塚秀夫が出ていたが、重要な役はほとんどせず、しかし印象に残る。ほんとに不思議な役者なり。
夜、「ブ」「みちくさ」を覗いて、ちょこちょこっと買い、ライブハウス「はっぽん」で多摩ディランのライブ。一昨年末かの「キャットフィッシュ」以来。マスオさん、トマツくんと一緒に、日本語訳ディランのコピーを聞く。これが声や歌唱法が拓郎そっくりで、拓郎が歌ったディランという感じ。拓郎の「ロンリー・ストリート・カフェ」も歌った。このあと、国立の山口瞳組、通称「山口組」のひとたちと二次会へ。12時半まで飲み、喋っていた。日本全国の居酒屋、遊興地を訪ねあそびまくっている団塊の世代のXさんの話がばつぐんに面白い。まるで江戸の遊び人みたいで、「どうせ死んじゃうんだから、好きなもの食べて、好きなところへ行って、好きなことしなくちゃ損」と何度も言う。なんだか、人間として一皮むけたような気分になった。「龍馬伝」ほか、NHKの大河の美術を担当されているKさんご夫婦が素敵なカップルで、ご一緒できてよかった。マスオさんも山口瞳の思い出をさりげなく語るし、国立では山口瞳がまだ生きているのである。
吉田健一訳 リンドバーグ夫人『海からの贈物』新潮社を元版で少し読む。次の「ビッグイシュー」の準備。いまでも新潮文庫版で改版されて、入っているのだが、貝殻の絵をあしらった元版のたたずまいが好きだ。装幀は三村石邦。